Main menu

Pages

きのうの午後に札幌を発ち、
羽田乗り継ぎで高知に入った。
高知に来るのは二十四年ぶり二度目である。
降り立った空港が「高知龍馬空港」で、
泊まったのが「高知龍馬ホテル」。
街中「龍馬」だらけで、
葬祭会場「龍馬」というのまであったには驚いた。
なんでも、来年のNHKの大河ドラマは「龍馬伝」なんだそうで、
この際、NHK高知放送局は「高知龍馬放送局」と改名した方が県民感情に沿うちょるきに。
(写真は五台山から一望した高知市のパノラマ。画面右寄りのアーチ橋が見えるあたりが繁華街である。)

さて、高知といえば「はりまや橋」である。
街のど真ん中にあるこの橋は
「日本三大名所」のひとつに数えられている。
「日本三大名所」とは、
訪れた観光客が、
「え、なに?これなの??…マジ???」
と呆然絶句すること必至の観光スポットで、
札幌の時計台、長崎のオランダ坂、
そして、高知のはりまや橋をいうのだそうだ。
ぼくは二十四年前に見ていると思うのだが、
記憶の中からきれいに消えていた。
呆然としたあまり、忘れてしまったに違いない。
橋の向こうに見えるのが取材先の四国銀行本店で、
今回は札幌から高知に日本列島を縦断し、
二大名所を一挙に制覇しようという豪華出張だ。

二十四年前から忘れられないでいるのは、
ご当地名物・鰹のたたきの旨さである。
繁華街の中心からはちょっと離れた
(「高知龍馬放送局」のすぐ裏の路地にある)
「黒尊」という店を訪ねた。
この店にはメニューがない。
「食べられない魚はありますか?」と訊かれ、
ないと答えると次から次へと大量の魚が供される。
刺身の一片が大きいことと鮮度がいいことに驚くが、
なんといっても圧巻は鰹のたたきである。
この店の鰹は、
伝統的なポン酢だれではなく、
あらかじめ塩で味つけがしてあるので
ニンニクとワサビを載せてそのまま食べる。
身がだらしなくならず、弾力があって実に旨い。
ぼくは「鰹大好き人間」だが、いままでこれほど旨い鰹を食べたことはなかったように思う。
ちなみに写真は「一人前」で、各自にこれが一皿ずつ出るから感涙にむせぶ。
コースの締めは大ぶりな握り鮨だが、ぼくは寿司はいらないと断わって、鰹をもう一皿もらった。
酒は濱乃鶴酒造(田野町)の純米酒「慎太郎」で…「龍馬」ではなく、その盟友できたか…これも旨い。
大いに飲み食いしてスタッフ一同大満足、値段は一人が5千円台とコスト・パフォーマンスは抜群である。
ぼくは思わず、「高知龍馬放送局」になら転勤してもいい、と口走っていた。


reactions

コメント