お盆で時間が少しあったので久しぶりに読書など。
読んだ本はこれ↓
読んでみようと思ったのは、特に評判が良かったとか誰かに薦められたわけでも無く、たまたま身近にあっただけです。
そんな感じでゆるーく読んだみたら、わりとゴールドに関する歴史がまとまってて、著者のクドイ主張も少なくて良い本だと思いました。
で、感想はゴールドは何千年も貨幣として価値を持って来たわけですが、ほんの数十年前から、とある大国が一人で必死にそれを終わらせようと頑張ってきたんだなあ、ということでした。
どう頑張ってたのか簡単に書くとこんな具合です。
A国:もう金(ゴールド)を貨幣にするのはやめましょう
F国:何で?
A国:だって金なんて、食えるわけじゃないし、燃やしてもエネルギーにもなんないよね?よくよく考えば価値ないよね?
C国:確かに
A国:そんな単なる金属より、そもそも価値っていうのは本来、人が働くことで生み出すものだよね?
S国:まあ、そうだな
A国:であれば、世界で一番工業力、消費力、軍事力のある国の発行した紙幣の方がよっぽど価値あるよね?
D国:まあな
A国:ということは、金よりドルの方が価値あるよね。だからもう金は要らないよね?みんな金売るよね?
S国:・・・('A`)
C国:・・・('A`)
D国:・・・('A`)
F国:・・・('A`)
という感じらしいのです。
まるで何かを強引にブームにしようとマスコミ必死だな…というような状況。
しかし確かにA国の言うことは理詰めでは正しい気もする。
でも世の中には理論ではどうしようもないことも多々あるのです。
たとえばそのような事の代表は恋愛・・・下のような話はありがちでは。。。
男子:俺のことどう思う?(゚∀゚)
女子:うん、性格もいいと思うし、かっこいいし、話も面白いから、ステキじゃないかな(〃▽〃)
男子:マジ?(´ ▽`)じゃあ俺と付き合ってよ!
女子:イヤ(・A・)
男子:え!?何で?
女子:ごめーん!昔、あなたに似た人で嫌いだった人がいるのよね~。
男子:
_, ._
��;゚ Д゚) .。o(ハァ?似た人??俺カンケーねぇだろ!!!)
という具合に。。。
これと同様に、金とは確かに理詰めでは無価値なのだけど、それでも人が金に特別な価値を感じてしまうのは、これはもう理屈を超えた何かがあるのではないかと思えてきた。
人が金の輝きや金貨がぶつかり合う響きに価値を感じてしまうのは、もはや人間のDNAに組み込まれているのでは。
しかし、この本能に逆らって紙幣に価値があると人々を洗脳できれば、それはまさに今まで不可能だった「錬金術」となります。しかもこれはやったもん勝ち、早いもの勝ちです。
それを実際に実行するチャンスを得たのが戦後まもない時期のA国。
戦勝国としてA国はドル本位を各国に半ば銃を突きつけながら無理やり承知させ、その後各国の中央銀行に十分にドルをねじ込むことに成功しました。
そうなると各国にとってはドルが下がると自分も損するという構図になり、各国ともドル防衛に協力せざるをえない、という現在の状況に繋がります。
ひとたびこうなると、ドルを印刷する権利を持つ国は、麻薬を手に入れたのと同然となります。
これは節度を持って運用すれば問題は起きないけど、その節度を守れないのが人間の習性でもある。
つい魔がさして紙幣をバンバン増刷しようものなら(←麻薬打ちすぎ!)、すぐに経済が崩壊する危険をはらんでいる。つまり、この制度を運用するには原発の制御棒の操作のような注意深さが必要になります。
これが災いの源であるから金本位に戻るべき、というのがこの本の主旨でした。金本位なら、そもそも通貨量を爆発的に増加させる事は出来ないので、人為的ミスによる事故の心配が無いからです。
しかし悪ではあるが、それがはびこるということは悪は悪なりの心地よさがあるのではないかと思います。
たとえば不換紙幣は金貨と違ってマネーサプライを急速に増やすことが出来るので、それを使って産業の進歩速度にレバレッジを掛けられる。本来1しかおカネが無いところに10あれば、会社は10倍誕生する。
だから私たちが今これだけ豊かな生活が出来るようになったのは、金本位が廃止されたからとも言える。
なんせ、数百万年前に生まれた人類が始めて空を飛んでから、たった数十年で月にまで行ってしまったのです。この尋常でない進歩がなければ、私たちは今だに天気予報という言葉も知らず、明日は晴れか雨かと夕焼けを見て思っていたかもしれません。このような急速な発展は人類にとって甘い誘惑となる。
一方、害のほうに目をやると、これも多い。
例えばスピード違反とも言える産業の発展速度は環境破壊を起こすし、信用創造が過度に進んだ後にレバレッジの逆回転が始まると、すぐ金融危機になる。その穴も信用創造で埋めればいいじゃん!とまた信用創造を繰り返せば、いつか必ず破綻する。
このように不換紙幣は一長一短だと思うのですが、どっちにしても金本位をひとたび捨てて信用創造してしまったという事実はもう取り消せない。もはや麻薬は何度も打ってしまっていて、すっかり中毒状態なのだ。
だから私たちが出来ることと言えば、せいぜい廃人にならない程度に、打ちすぎを自制するくらいしかないのではないかと思う。
という訳で、今さら金本位に戻るなんて絶対無理だし特に何も変わらないと思うけど、なんせ金は人間の本能で欲しくなってしまう物なので、これからもトウモロコシやロブスターなどの他の商品とは一味違った地位を保つような気もします。
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