…彼岸まで、というけどホントだね。
きょうは朝から雨模様、
すっかり秋本番を思わせる冷たい雨だった。
ぼくは傘をさすのがヘタなのか、
会社に着くまでに、左袖は肩まで、
ズボンは両膝までびしょ濡れになってしまった。
仕事は編集室に缶詰である。
おとといまでに
撮ってきた32時間ほどの映像を一通り見終わり、
きのうは別件の取材で大阪に日帰り出張、
きょうからいよいよつなぎ始めた。
…この編集室が寒い。
もともと冷房が効き過ぎなのだが、
濡れそぼった体がやがて芯まで冷えてくる。
ぼくには多動性障害の子どもがそのまま大人になったようなところがあって、
そもそも一つ所にじっとしていることが苦手である。
だから、編集室に缶詰になると必ず心身の変調を来す。
多くの場合、体が冷えて、ときにいたたまれないほどの寒さを感じることになる。
いつもコンビを組んでいる編集マンの「ほっちゃん」は怪訝な顔をするが、寒いものは寒いのである。
だから、さして用もないのに部屋を出たり入ったり、まことに落ち着きのない行状を示す。
今回は特に、この月末に定期健康診断を受けるつもりでいるので、それに備えて酒を抜いている。
10日間ほどアルコールを抜いて、Γ-GTPをなんとか人並みの数字に落ち着かせようというのである。
きょうでもう5日間酒を抜いたことになるのだが、いつも以上に寒さを感じるのはその所為かも知れぬ。
仕事のリズムを掴めないまま、それでも冒頭から8分ほどのところまでつないだ。
「ほっちゃん」は無口な男なので、黙々とモニター画面に向かって何かを考えている。
ストーリーの流れさえ綿密に決めておけば、
第一稿はできるだけ口を出さず、
「ほっちゃん」の感覚に従ってつないでもらうのがぼくらのいつものやり方である。
もう10年以上一緒にやっているので、気心は知れている。
第一稿がつなぎ上がる頃にはぼくの体にもオイルがまわってくるのだが、
いまはまだエンジンがかかっていない状態で、だから寒くも感じるのだろう。
10月に入るとまたロケの予定が入っていて、編集作業は一時中断となる。
なんとしても今月中には第一稿を上げてしまわなければならない。
リズムに乗れない、などと呑気なことを云っている場合ではないのだ。
今年は熱い夏で、東京の真夏日(最高気温が30℃以上に上がった日)は観察史上最多だったとのこと。
そして、冬は、例年以上に寒い冬になるだろうというのが予報である。
雨も「しとしと降り」などという情緒は絶えてなく、降るときには天地をひっくり返したほどに降る。
五十代の半ばを迎えた男にとって、体調を一定に維持するのはなかなか大変である。
コメント
コメントを投稿