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フィリピンを初めとする東南アジアの感染症というと、昨年東京でも患者が出たデング熱、あるいはマラリア、アメーバ赤痢などが思い浮かぶかと思います。しかし、日本でも子供の時に予防接種をする麻疹や風疹、ポリオなどもフィリピンでも同様に感染のリスクはあるし、小学校などで無料の集団予防接種があったりもします。

ところがなんと、今シライ市内で水疱瘡が大流行しています。家内に聞くとフィリピンではなぜか水疱瘡の予防接種はしないらしく、公立小学校では約半数の生徒が発症。そこの生徒で息子の従兄アンドレと、同校の教師でアンドレの母親(義妹)とその夫(義弟)にまで感染しました。つまり子供だけでなく大人まで含めての流行。

水疱瘡は幼児期に罹ればだいたい軽症で済みますが、大人や特に妊婦が感染すると重篤化しやすい病気。私立の息子が通う別の小学校ではそれほどでもないのは、どうやら親の知識の差のようです。公立校では水疱瘡特有の発疹が出ている状態でも、平気で子供を通学させてしまう親が多いとのこと。予防接種もせずにそんなことしたら、そりゃ感染爆発するでしょう。

フィリピンの場合、医療費や薬品代が恐ろしく割高だったり、健康保険(任意のみ)の加入割合が絶望的に低かったり、感染症が蔓延してしまう素地はありますが、一番根本的な原因は、親の低学歴とそれに伴う知識の欠如が大きいと思われます。何度も投稿していますが、この国では貧困のため小学校すらまともに通えない子供が多く、高校でも全体の7割程度しか卒業できない。学歴がないと低収入の職業にしか就けず、何世代にも渡る貧困のループができてしまいます。

何かにつけ思うのは、フィリピンに必要なのは交通や電気水道インフラよりも、貧困層の治療ができるように支援を受けた医師。さらには基礎教育が貧富の差に関係なく受けられる、社会基盤だということ。これを考えるといつも暗澹たる気分になってしまいます。


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