インドネシアからの煙害 ヘイズ
このところ日本のメディアでも伝えられている「ヘイズ」(Haze)。英語でモヤとか霞という意味。インドネシアでパームオイルやパルプのための焼畑が大規模に行われ、そこから森林火災につながって大量の煙が近隣諸国のマレーシアやシンガポールに流れ込む現象です。
日本でも春先の黄砂で、アレルギーのある人には辛いことになりますが、このヘイズはそれどころではなく、視界悪化で空港が閉鎖になったり呼吸器障害で死者まで出るほどの惨状。私が東南アジア向けの仕事をしていた20年ほど前から既に被害は出ていて、マレーシアの首都クアラルンプールでは、危なくて昼間でも車の運転ができないようなことも。
しかし今回は過去にないほどの酷さのようで、ここフィリピンでもヘイズが観測されています。影響が大きいのは一番インドネシア寄りのミンダナオ島。そして私たちの住むネグロス島でも南寄りの強い風が吹いたりすると、薄っすらと霧がかかったような状態になります。
実はネグロスでもサトウキビ栽培で焼畑農法を多用しているので、刈り取りの時期になるとあちこちで煙が上がります。言われなければ、インドネシアからの煙だとは気づかないレベル。サトウキビ畑からの煙と違うのは、島の中央部のカンラオン山が晴れているはずなのに霞んで見えない日もあること。
そして本日(2015年10月29日)在マニラの日本大使館から「ヘイズ発生に伴う注意喚起」というメールが来ました。この時期、フィリピンはインドネシアの風上になるのですが、フィリピンの東海上を台風が通過したりすると風向きが変わって、ボルネオ島からの風が吹き込むことがあります。大使館からの連絡では先日ルソン島を中心に、大きな洪水被害をもたらした24号台風(フィリピン名「ランドー」)の影響もあるらしいとのこと。
中国の公害で日本でもよく知られるようになった有毒なPM2.5が、インドネシアからの煙にも含まれているそうで、不要不急ではない外出を避けろとか、マスクを着用しろという指示がありました。シライ市内では台風通過後はよく晴れて暑く、カンラオン山もよく見えているので、しばらくはどうということはなさそうですが、難儀なことですね。
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