お祭りに騒ぐのは何も日本に限ったことではなく、ここフィリピンに比べれば騒ぎのレベルはまだまだ大人しい。先月のマスカラ・フェスティバルやクリスマス、さらには選挙まで何日も昼夜ぶっ続けの、文字通りのお祭り騒ぎにしてしまう国民性ですから。ただ、ハロウィンとそれに続く11月1日の「万聖節(諸聖人の日)」、の11月2日の「万霊節(死者の日)」の本来の意味を考えると、今回のような日本のバカ騒ぎ振りはどうかと思いますね。
昨年も似たような投稿をしましたが、フィリピンを始めとするカトリック国では「万聖節」「万霊節」は日本のお盆に相当します。ハロウィンはその前夜祭で、厳密には宗教行事ではありません。ここでも仮装パーティをしたりしますが、どちらかというと「トリック・オア・トリート(お菓子をくれないと悪戯するぞ)」という台詞に代表されるように、子供が主役。
万聖節にはお墓参りで大賑わいで、墓地周辺道路は大渋滞に
万霊節の今日、家内の親戚でこの5月に子供を亡くしてしまった両親がフェイスブックに投稿した写真を見ると、フィリピン人にとってのこの日の意味がよく分かります。写真に写っている後ろ姿はその子供の祖父。残念なことに、この子は生後1時間で天国へ。日本風に言えば今日がその子の初盆になります。それだけに悲しみもまだ生々しく、写真に添えられたお母さんの言葉は胸に突き刺さるような内容でした。
誕生日と命日が同年同日の墓標
外国から取り入れた文物を日本風にアレンジして、独特の文化にしていくのが昔から日本人の得意とするところ。それはとてもいい面もありますが、時としてあまりに表層的すぎて、オリジナルの意味を考えなさすぎることがあるようです。クリスマスも救い主の生誕を喜び祝う日のはずが、前夜は都心のホテルがカップルの予約でいっぱいになってしまうお国柄なので、仕方ないのでしょうか。
コメント
コメントを投稿