それでも、実際にフィリピン・ネグロス島に住んでみての日常感覚としては、日本はまだ比較的治安は良い。よく言われるように、日本では落し物、それも現金が入った財布でも、見つかることがあるけれど、フィリピンでは99パーセントないでしょう。
ここシライでは、マニラ等の大都会とは異なり、殺人や重傷を負わせるような傷害事件は、あまり耳にしませんが、窃盗や空き巣の類は、頻繁に起きます。この頻度は、日本の比ではありません。今年に入ってから、私たちの住む宅地、セント・フランシスでも、深夜に車で乗りつけた複数の男が、門扉をこじ開けようとしていたそうです。たまたま物音に気付いた家の人が、灯りを点けたところ、何も盗らずに逃走。
セント・フランシスは、周囲をフェンスで囲まれ、三ヵ所あるゲートには、24時間体制で拳銃を携帯した警備員が常駐。しかし、実は抜け穴があって、サトウキビ畑に面して、まだ造成途中の反対側からは、ノーチェックでいくらでも入れる道があります。こういうあたりが、フィリピンらしい間抜けぶり。さすがにこの事件があった後は、その抜け道にも簡易ゲートが設けられ、住民以外の人を入れる時には、運転免許や身分証明書を預けるルールが徹底されました。
これで、無断での車両進入は、まず無理に。でもやっぱり事件は起こる。それは、今月の初め頃で、我が家の筋向いで、家内の高校以来の友達ナンシーの家でのこと。ちょうど、サウジアラビアで働くナンシーのお兄さんが一時帰国していた時。
徒歩で宅地に入ったと思われる賊が、庭に植えていたバナナを盗もうとしていたそうです。それも夜間の暗闇ではなく、もう明るくなった朝5時頃。今回も賊にとっては不運なことに、向かいのアメリカ人宅に雇われたプライベート・ガードが気づき、空に向かって拳銃を一発。発砲に驚いた賊は、持っていたバナナ二房を捨てて逃走しました。
この話をナンシーから聞いた時は、大笑い。直接木からもいだバナナの房なので、20〜30本はついていたにしても、売ったって数百円。空腹のあまり犯行に及んだのかも知れませんが、バナナのために撃ち殺されるのは、割に合わなさすぎですね。
フィリピンでも凶悪犯罪は多く、いくら田舎のシライでも、深夜に一人で出歩くなんて真似は、とてもできません。しかし、殺人や銃器を使った強盗、麻薬関係の事件は別にしても、どうもフィリピンの犯罪者というのは、ドジで間抜け。全然計画性がなく、妙に人間臭くて、怪我人や深刻な被害が出なければ、つい笑ってしまう事件が多いように思います。
犯行現場...
というには長閑なナンシーのバナナ畑
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