日本並みというと、ガソリン代と電気代。ガソリンの価格はグローバルに連動しているので、仕方がないけれど、意外にもフィリピンは、アジアでもっとも電気代が高い国。(何と日本より高い!)「フィリピン」「電気代」でググって出てくる日本語のサイトでは、高い電気代の理由は、システム・ロスつまり「盗電」で説明しています。
ところが実際には、盗電ではない本当のロスを含めても、せいぜい電気代の6パーセント程度なんだそうで、真相は、請求書には表れない中間搾取がひどいという事らしい。これはフィリピンのニュース配信サイト「ラップラー」(Rappler )が作った動画で詳しく解説されています。
とにかく高いだけでなく、やたら停電が多く、顧客満足度は著しく低いフィリピンの電力サービス。我が家で支払っている月々の電気代が、親子3人+住み込みメイドで、だいたい2500ペソ(約6000円)。水圧を上げるためのポンプや、電気湯沸かし器を使っているので、同規模の一般的なフィリピン家庭より、やや高いぐらいでしょうか。
ところが先日、自宅に届いた電気料金の請求書を見てびっくり。なんと15000ペソ(約4万円弱)! 家内が貧血で倒れそうになる金額です。何も特別はことをした覚えはないし、30時間以上もの停電があったりして、いつもより安くなりこそすれ、一気に6倍になるなんてあり得ない。メイドのネルジーに話したら「きゃ〜」と絶叫。そりゃ、月給3000ペソだもんなぁ。
早速、家内は、今月と先月の請求書を持って、電力会社セネコ(CENECO)の事務所に駆け込みました。どうやらこれは、よくあることらしく、翌日にはセネコの作業員が二人やって来て、電気メーターを点検。
すると、メーターの中から、黒焦げになったヤモリの死骸が出てきました。しかも、部品の一部が溶けていて、作業員のオっちゃん曰く「最近停電が多かったので、サージ(瞬間的な高電圧状態)があったようです。これはメーターの部品を交換した方がいいですね。」
そこまで言うので、交換もしてくれるのかと思いきや、メーターの修理や交換は利用者負担で、ウチは手出しできません、と冷たい態度。ただ、その後セネコから電話があって、前月と同額の2500ペソで大丈夫とのこと。やれやれ、家内と二人で胸を撫で下ろしました。
ここからがフィリピンらしい展開。家内のママ友の旦那さんが、たまたまセネコに勤めているそうで、家内は、そっちから情報収集。近所で部品を売ってる場所を教えてもらった上に、旦那さんの友達という、電気修理の業者さんまで手配してもらいました。
翌日、自宅を建てる時によく通った、シライ市内の建材屋さんで、購入した部品の代金が200ペソ(約500円)。そんなに安いものだったのかと拍子抜け。さらに部品の交換に来てくれた業者さんは、友達の頼みだからと、工事が終わると工賃も受け取らずに、さっさと帰ってしまいました。
結果的には、大した出費にもならず良かったのですが、高額な電気料金を払わせるのに、金額を決める根本の部分で、こんなに信頼性が低いとは、信じられませんね。我が家の場合、極端に高い請求が来たので発覚したけれど、気づかずに割高な請求額を支払い続けるケースは、たくさんありそうです。
交換したメーター(円筒形の部分)
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