少し前にえらーい人から、一般の「日本の大企業」のサラリーマンは、入社直後が一番仕事のモチベーションが高くて、その後定年まで一直線に下がっていくという話を聞きました。
つまりやる気満々で入社したものの、その後不条理なことや理想と違う現実に直面するごとにヤル気が減退し、定年間際までくるともはや、ただただ無難に時間をやり過ごすことだけを考えるようになるそうです。
それで普通なんだそうです。
これは、大企業では個人の裁量がまったく無いことが大きな原因と思います。
裁量がどうモチベーションに影響するかというと、例えばヤル気満々な新人がいろいろな提案などをしてみても、それを決められるのは裁量を持つボスだけ。すると新人の提案はかわいそうだけど、ことごとく却下されます。(まだ社会経験が少ないので当然ですが)
すると新人は「提案を通すのがボスなら、ボスにウケそうな提案をすればよい」ということに気付きますが、ボスと自分の思考は大抵違うので(違う人間なんだからあたりまえですが)、自分の意見はさておき、自分の中にボスの思考のコピーを作ってそれで考えるようになります。
そんなことを繰り返していると、いつしか自分の意見は押し殺すのが普通になり、おっさんになるころにはすっかり会社に洗脳され切った単なる「歯車」になってしまいます。これではモチベーションが上がるわけがない。
そして、そんなおっさん先輩に新人は自分の10年後の姿をダブらせ、すっかり失望すると3年で辞めて他社に転職したりしますけど、他社も結局同じような感じなのであまり転職の意味はありません。
また、少し血の気の多い人は辞めて起業したりしますけど、これまた大抵うまくいきません。
なぜなら起業後に自分の商売の相手になるのは、やっぱりそんなおっさん達で構成された組織であったり、個人であったりするからです。
つまり目の前の誰かが嫌でそういう人と絶縁しても、長い人生の中では同じような人は必ずまた自分の前に現れます。その度にいつも絶縁する訳には行かないので、結局いつかは上手に対応することを覚えるハメになります。
だから例えベンチャー企業であっても、相手のいる仕事をする限りそういうことから完全に逃れることは出来ないのだけど、そうは言ってもベンチャーみたいな新しい組織や少人数の組織では各個人に割り当てられる裁量が大企業よりも遥かに大きいので、少なくとも会社内ではそのような思いはあまりしなくて済み、モチベーション高く楽しい仕事が出来ます。
なので、楽しく働くならベンチャーのほうが良いかもしれません。
しかーし!
投資する企業となると話はまったく別。
はっきりいって買うなら絶対、日本の大企業的組織!
だってベンチャーで個人が独断の裁量で決めてやってる仕事なんて危なっかしくて見てらんないもん。
大企業的組織のボスは、ボスになったそれなりの理由がある。
色々なタイプの人の意見を上手に取り入れて調整し、モチベーションが下がりやすい環境であるにもかかわらず、自分でモチベーション高く保て、なおかつ自分の意見も密かに暖め続けられた人。
そのボスが決定した案は、とんがったセンスはなくても多くの人の満足を得られ、実現までのトラブルも少ない確率が高い。
従って会社は安定発展しやすい。
これも日本企業の製品が世界で受け入れらる一因だと思う。
なので株買うなら絶対、日本式の大企業的組織!
もっとも、自分自身ははベンチャーで働いて、株は日本式の大企業的組織の株(日本企業とは限らないけど)を買う、という組み合わせが一番オイシイかも
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