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オンネトーが「幻の湖」になった

10日前後に予定していたロケ
(北海道剣淵町で黒大豆の収穫の様子)を
天候の関係で半月ほど遅らせることになった。
突然、連休を休めることになったわけである。
10月の10日前後と云えば、
ちょうど道東のオンネトーで紅葉が盛りのはず、
(写真は去年9月末に撮影したものだ)
これ幸いと大慌てで旅の手配をする。

航空券はANAのマイレージ特典で
10日の朝の釧路便が1席だけ空いていたので、
すぐに押さえる。
宿は湖畔に近い野中温泉に電話したのだが、
連休中はすべて満室だとのこと。
もっとも、これは「想定内」であり、
阿寒湖畔に宿を取って出かければそれですむ。

しかし、次の瞬間、ぼくは思わぬ事態に愕然とした。
阿寒湖畔とオンネトーを結ぶ唯一の公共交通機関であるバス(毎年10月14日まで運行していた)が、
今年から運行を取り止めたというである。
阿寒湖畔とオンネトーの距離はおよそ20km、
ぼくは元来「歩くのは苦にならない」人間だが、さすがにこの距離は「苦になる」。
そして、バスがなくなったということは、
車の運転をしないぼくにとって
オンネトーが行くに行けない「幻の湖」になってしまったことを意味しているのである。

ぼくの場合、自分の意思で車の免許を取らなかったのだから、あまり文句を云える筋合いではない。
しかし、北海道は、車に乗らない人間にとってはだんだん不自由極まりなくなっていく。
お年寄りや高校生など所謂「交通弱者」は時代が変わっても確実にいるわけで、
例えば80歳を過ぎた人が「車の運転をやめると暮らしていけない」というのでは辛いはずだ。
社会のあり方として本当にそれでいいのかどうか、疑問なしとはしない。

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