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「岸田屋」を世界遺産に!

編集作業はいたって順調に進み、
予定期間を3日残して時間(89分)になった。
そこで今夜は打ち上げ。
コンビを組む編集マンの「ほっちゃん」と
月島の居酒屋「岸田屋」で飲む。
仕事が片づくと「岸田屋」で打ち上げるのは、
二人のちょっとしたルールのようなものだ。

酒飲みにとって、
「岸田屋」は世界遺産のようなものだ。
旨くて安くて雰囲気がいい。
だからいつも混みあっている。
きょうも19時に着いたのだが、
すでに店の前には行列ができていて、
15分ほど待たされることになった。
名物は牛もつの煮込みで、
ぼくらはいつも一皿ずつ食べる。

いったい何時頃からある店なのだろうか?
色褪せたポスターや煤けて判読が難しくなっている額、
壁からぶら下がった木札の品書きが古き良き居酒屋の気分を醸し出している。
安さの秘密はたぶん家賃負担がないからで、減価償却もとうに終わっているのは間違いない。
いたって庶民的で頭の低い名物おばちゃんが、親戚らしい若い女性たちと一緒に切り盛りしている。
数年前に調理場で包丁を振るっていた親爺が亡くなったが、
おばちゃんは以来ますます元気になったというのが「ほっちゃん」の観察である。

煮込みに煮こごり、菜の花の辛子和え、ブリ大根に湯豆腐という居酒屋の王道メニューを食べて、
「ほっちゃん」はビール、ぼくは「川亀純米」(300ml)を二本飲んだ。
それで二人で6340円だから、わざわざ東京を横断してまでも通いたくなるわけである。
(写真はiPhoneに入れた「G400」というカメラ・ソフトで撮った。手ぶれ防止機能もあり、結構面白い。)
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