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十和田ロケも今日がとりあえずの最終日。
(土曜日で)人がいない病院の内部と
十和田の街のたたずまいをカメラに収める。
おりしも
「アーツ十和田」(野外芸術文化ゾーン)の
グランド・オープンの日である。
前衛芸術家の草間彌生さんらをゲストに迎えて、
オープニング・セレモニーが開催された。
病院とは直接関係ないのだが、
街の雰囲気と小山田市長の紹介を兼ねて撮影。
既に開館している十和田市現代美術館と併せ、
中心部の「官庁街通り」と呼ばれる一画は
独特の魅力的な雰囲気を持つ街になりつつある。
現代美術館は25億円を投じた“ハコモノ”だが、
センスのいい収蔵品を集めていて、
こういうのならいいんじゃないかとも思う。

十和田は「土建屋の町」として知られる。
「6強」と呼ばれる建設業者が
ときに手を組み、
ときに敵対しながら町の政治を牛耳ってきた。
総事業費164億円の市立中央病院は、
この「6強」がJVを組んで建設したものだ。
ロケ・クルーとは別行動で、
ぼくは「6強」それぞれの本社を
スチールカメラ(Olympus Pen Lite)で撮影にまわった。
これはそのひとつF組の本社。
亡くなった前社長の愛犬の石像が
まるで狛犬のように正門を睥睨している。
この前社長は、
自分の会社の従業員を市長に擁立し、
当選させたこともあると聞いた。
大変な「実力者」だったに違いない。





人口6万5千人の町はご他聞に漏れず寂れ、
空き地やシャッターを閉めたままの店舗が目立つ。
しかし、
「アーツ十和田」のオープンを祝うために、
商店街では
(草間彌生のシンボルである)赤い水玉模様を
ショーウィンドウに散らして飾りたてた。
「現金屋商店」などという店が
懸命に「草間彌生している」のを見ると、
これも立派な前衛芸術ではないかと思えてくる。







泥臭さとモダン・アート。
このミスマッチな面白さは、
やがてこの町の
独特な魅力として結晶するかもしれない、
だんだんそんな気がしてきた。

十和田はなんとなく応援したくなる街である。
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