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湯西川温泉ふたたび…




番組が終わったので、
妻を伴い栃木県の湯西川温泉へ。
昨年の9月に訪れて気に入っていた
「上屋敷 平の高房」である。

この宿は「日本秘湯を守る会」の会員旅館で、
鬼怒川から川治、湯西川に至る温泉郷の一番奥、
いたって閑静なところに立地する一軒宿である。
設備はきれいに整備されているので
「秘湯」というほどのもの寂れた面影はないが、
かけ流しの湯はいいし、
食事も旨いので、
関東圏での一泊二日にはもってこいである。


宿に着いてすぐ
夕食時の飲み物について訊かれたので、
「スーパードライ以外のビールを」と注文。
ところが、
去年の秋に来たときには
サッポロビールがあったのだが、
今年はスーパードライに一本化したという。
スーパードライを飲むくらいなら
ビールを飲まない方がましだと思うぼくは、
途端に不機嫌になる。
しかし、
“大阪のおばはん並み”の
ネゴシエーション能力を持つ妻が交渉して、
町の酒屋から
「一番搾り」を取り寄せてもらうことになった。
ぼくの機嫌はたちどころに直る(笑)。






この宿には無料の貸し切り露天風呂がある。
「子宝の湯」と「金精の湯」で、
ぼくたちは着いてすぐに「金精の湯」に入った。
この宿に湧き出している湯は56℃と熱いのだが、
露天風呂では外気の影響で少しぬるめである。
貸し切り時間は45分あるので、
ゆったり入っていると次第に体が温まってくる。
妻と二人で混浴露天風呂…というのは、
ぼくの美意識からいうと少々問題なのだが、
ビール交渉をまとめてくれたし、ま、いいか…。







夕食は、今回は「幻の岩魚」プランを注文。
串焼きのほか、岩魚の姿作りに、骨酒がつく。
刺身は他にヤシオマスで、
ヤシオマスとは
栃木県でニジマスを品種改良したものだという。
肴が山菜など山のものばかりなのが嬉しい。
郷土料理の「一升べら」(写真右)は、
前回は「山鳥の肉を叩いたもの」と聞いたが、
今回の説明では「うずら」とのことだった。
美味しいから、どちらでもかまわないのだが。
鹿肉の串を追加注文したが、これも大変旨かった。




湯西川では、駅から温泉街に向かう途中にいまダムが建設されている。
切り替え道路が遙か頭上に作られているところをみると、かなり大規模なダムのようだ。
洪水調整に加えて潅漑用水、水道用水、工業用水の確保を謳った例によっての多目的ダムだが、
すぐ下流にこれも大規模な五百里ダムが既にあるので、
なぜ新たにこのダムを作る必要があるのか首を捻らざるを得ない。
近隣には川治ダムもあり、かつては静かな湯治場が点在していただろう周辺の風景は一変している。
何年か後に湯西川温泉を訪れるときには、きっとダム湖のほとりを走ることになるのだろう。
現在の細いつづら折れの道(譲り合わないとバスはすれ違えない)は快適なものに変わっているだろうが、
それが本当にこの土地にとっていいことなのかどうかは疑問なしとしない。
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