8月に一度行なったところ大変な好評で、
「お金を払ってもいいからもう一度来てほしい」という声が相次いだと
市立田老診療所の黒田仁医師から聞かされていたのである。
こうなると、二度目をやらないわけにはいかない。
…でも、まさか、お金をとるわけにもいかないしねw。
ぼくは休暇を取って、看護助手(?)としての参加である。
みなさん喜んで帰っていただいた。
ほとんどがお年寄りだが、なかに一人、三十代の女性がいて、ひどい腰痛を訴えている。
整形外科で診断してもらったが「特に異常はない」という結果で、
それでも痛みが強く、痺れて、歩くのもつらいという話だ。
ひととおり話を聞いた妻は腰に何本もの鍼を打つ。
患部に鍼を打つのは当然だが、その後の治療の展開がぼくにはちょっと意外だった。
妻は患者さんを仰向けに寝かせて、右手に鍼を一本打ったのである。
そして、鍼を打ったまま、患者さんに腰をゆっくりと上下に動かすよう指示した。
「手が痛みますけど我慢してくださいね」という。
患者の女性が鋭い悲鳴を上げる。
確かに鍼を打った手に強い痛みが走るらしい。
我慢して何度か同じ動作を繰り返すよう妻は指示する。
治療を終えて立つよう促すと、女性はスッと立ち上がって「あれ?」という顔をした。
腰の痛みがほとんど消えていたらしい。
大喜びしながらも、どこか狐につままれたような顔をして女性は帰っていった。
傍で見ていたぼくにとっても、さながらオリエンタル・マジックを目にした気分。
我が妻ながら、やるもんだね。
患者のお婆さんが「御礼に」と自分で採った松茸をくださったので、
仙台に戻ってきて行きつけの居酒屋「季楽」にお願いし、
焼き松茸と土瓶蒸しに作ってもらって、居合わせたお客さんとともにいただいた。
(田老産なら放射能を濃縮している怖れはないだろう。)
国産の松茸なんて何十年ぶり(?)だろうか。
仕上げに美味しい「はらこめし」も食べて、妻は大喜びだった。
とても忙しかったけれど、いい一日だった。
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