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1993年に地震と大津波に襲われた
北海道奥尻島の復興プロセスを取材した番組、
「東北Z・駆け足の復興  その光と影」が完成した。
今年一年間、
「東北Z」(金曜夜8時)で5本放送を予定している
シリーズ「災害から未来へ」の第1作にあたる。
東北復興のヒントを過去の被災地に探ろうという企画だが、
被災地の置かれた状況は常に個別具体的で、
安易な一般化には意味がない。
当然、復興への手がかりも、
ハウ・ツーで示せるようなものにはならない。
ぼくは奥尻から「教訓」を抽出しようなどとは思わず、
災害から復興という疾風怒涛の時代を走り抜けた
人間たちのドラマとして成立させることを心がけた。
そのうえで、
何か東北の人たちの心に残る部分があれば、
それでよしと考えたのである。

それにしても、
いわゆる「仕事中毒」は、
「より強い刺激」を求めて重篤化していくものらしい。
最近では1本の番組を作ることでは飽き足らなくなって、
この冬は3本の制作を同時並行で進めていた。
今回の「東北Z」が3本のうち最初のオンエアである。

4月5日に「奥尻」の最初の試写を行い、
翌6日には福島市で5月放送「ETV特集」のロケ。
7日8日で「奥尻」の編集のカタを付けて、
9日から一週間は
「ETV特集」ともう1本を兼ねたロケで南相馬・福島へ。
15日に一度仙台に帰ってきて「奥尻」の台本を仕上げ、
16日に福島ロケをして、
17日に「奥尻」のナレーション入れ。
20日に「奥尻」のオンエアに立ち会うと、
21日、今度は南相馬で児玉龍彦先生の講演会を撮影。
23日からは東京で次回作「ETV特集」の編集に入る。
こう書くと改めて狂気の沙汰(笑)だと思うが、
これくらいやっていないと働いている気がしないのである。

東北Z 災害から未来へ
「駆け足の復興  その光と影 〜北海道奥尻島〜 
4月20日夜8時 東北地方限定で放送(43分)

ちなみに次回作は、
1ヶ月後の5月20日に放送する
「ETV特集 除染と避難のはざまで(仮)」。
去年の夏以来、
児玉龍彦東大教授と南相馬を撮り続けている
仮称「除染」シリーズの4本目、
「ETV特集」に限って云えば2本目の放送である。
そこまでは先が見えているので、
残りのもう1本、
飯舘村の人たちばかりが暮らすある仮設住宅の記録、
これをいつ放送までもっていくのかが問題である。
もう6割がた撮れていると思うのだが、
放送日が決まらないので、落ち着かない気分だ。

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