明日は手術である。
S字結腸を24cm〜25cmくらいチョン切ることになる。
チョー痛いのではないか、
などとくだらない洒落を云っている場合ではない。
きょう主治医から説明を受けたが、
退院後2〜3年はトイレが近くなるという話だった。
日に10〜20回というから、
デスクワークならともかく、
ぼくの仕事を考えると気が滅入る。
まさか、おむつをしてロケに出るわけにもいくまい。
3年たって漸く平常通り仕事に出られるようになった頃には
もう定年である…洒落にならない。
昨日も書いたが、ぼくには全く自覚症状がない。
痛くも痒くもない腸を、
わざわざ辛い思いをしてチョン切るのは理不尽な気がする。
痛くもない腹を探られる、
というのはこういうことを言うのだろう(…違うかw)。
きょう、東京からかみさんが来た。
ぼくが若い看護師さんに色目を使うのではないかと、
警戒して監視に来たらしい。
(ちなみに主治医も女性である。)
夜になって(かみさんの)妹も駆けつけてきた。
知らない街で一人付き添いをするのは心細いからと、
かみさんが呼んだのである。
「付き添いの付き添い」というのは珍しい。
最近の病院は、
別室に備え付けたモニターで
手術の様子を家族が見られるようになっている。
モニターはカラーだというから、
ほとんどスプラッター・ムービーである。
まさかと思っていたら、
かみさんが「見たい」というので驚いた。
「私は平気だよ」と平然としている。
かみさんは中国で鍼灸を学んだ。
彼の地で鍼灸は「医学」に他ならないから、
勉強の過程で解剖も経験したらしい。
「あなたの腸を見てやる」などと恐ろしいことをいう。
本当はぼくとしては、
かみさんに腹の内を見透かされたくないのだ。
今後ますます頭が上がらなくなりそうではないか。
いずれにせよ、
手術のあいだ、ぼくに出来ることは何もない。
気分は「まな板の上の鯉」である。
どうせ鯉なら、ぼくは糸造りが好きだ。
故郷の出雲地方の食べ方で、
鯉の刺身を糸のように細く切って、
炒った鯉の卵をまぶして山葵醤油で食べる。
これで一杯やったら堪えられない。
退院したら食べに行きたいな。
かみさんと妹はアパートに引き揚げていった。
夕食は、ぼくが予約して、
近所のおいしいホルモン屋「かど屋」で食べる。
きょう一日何も食べていないぼくは、
iPadにダウンロードしておいた
イーストウッドの「許されざる者」でも見ることにしよう。
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