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鯖(サバ)の一番美味しい食べ方知ってる?魚屋が伝えたい、鯖の最強レシピ

500円の鯖(サバ)が高級感ただようメインディッシュに変わる、意外性抜群の美味しい食べ方を紹介したい。魚屋で働いていた時に当時の店長から教えて貰ったモテ系のレシピ。




鯖の定番レシピと言えば、

・鯖の味噌煮
・鯖の塩焼き
・鯖の竜田揚げ
・シメ鯖

などが思い浮かぶが、昔から刺身が好きだったので鯖の食べ方ではシメ鯖が一番好きだった。

魚の中で特に鯖が好き!という訳ではなかったが、秋が深まった頃には脂の乗った五島列島産の鯖から、身の締まった(締まり過ぎてやや淡白?)関サバ、広島湾で獲れた地モノ(新鮮なだけで脂が乗ってないハズレも多い)の鯖が毎日のように市場に並ぶ。

当然ながら魚屋で働いていると質のいい鯖を手に入れることは容易く、

1.質がいい鯖を食べる
2.美味しい
3.鯖が好きになる

※2サイクル目

1.目と舌が肥えるのでより質がいい鯖を探して食べる
2.美味しい!
3.鯖がますます好きになる

 以下、続く

という魚屋スパイラルで次第に鯖が好きになった(逆に脂が乗る秋以外に鯖を食べることは無くなった)当時は”仕入れ”という名目の元、自分が最高のシメ鯖を食べるために血眼になって鮮度・脂の乗り・身のしまりがベストバランスした最高の鯖を求め市場を物色していたのを思い出す。

※写真は九州、五島列島産の鯖


夕食にヘビーローテーションで鯖が登場するようになった頃、頻繁に鯖を買って帰る私を見た当時の店長が言った一言。




「鯖の一番美味しい食べ方知ってるか?」




※鯖しゃぶの作り方(1):鯖の頭を落とす


10年以上も前なので細かいやりとりは忘れてしまったが、当時色々、、、というか広島魚市場に並び我々が仕入れる全ての魚について、魚の産地、旬、調理法、レシピを教えてくれていた店長が鯖のしゃぶしゃぶの作り方と食べ方を懇切丁寧に教えてくれた。その際の一言、



「鯖はしゃぶしゃぶが一番旨い」



お客さんに対する殺し文句でもある、店長の旨い発言。魚屋に入社した直後の若造と、魚屋を生業として年商10億を売り上げる大型店で20年以上働いている店長の言葉は重みが違う。魚屋業務の中で時折店長が「これは旨いからな」とこぼした商品は、素人の頃には知る由もない味を教えて貰った。話を聞いているだけで「これは美味そう!」と感じる喋りのスキルも別格。


※鯖しゃぶの作り方(2):鯖を三枚に下ろす


鯖しゃぶが素晴らしい点は美味しさだけではない。

さばの和風チリソースとか、揚げさばとなすのオイスターソースあんかけ、秋さばのヨーグルト焼きなどのレシピと比べると、横文字が並ぶ派手さは無いが、基本的に切るだけという調理が簡単な点も嬉しいポイントだ。鯖さえ物が良ければ失敗するリスクが少ない。


※鯖しゃぶの作り方(3):生臭さと余分な水分を除くため、シメ鯖の要領で塩をまぶし、1時間程度冷蔵庫で寝かせる


また、料理のスタイルが皆で鍋を囲んでしゃぶしゃぶというエンターテイメント性が高い点も見逃せない。料理の手間と文字数の長さの割に、お皿に乗ったら箸でつまんで食べるだけの”揚げさばとなすのオイスターソースあんかけ”と比べ、同じ鍋を囲んで、鯖を取り合いながら好みの火加減でしゃぶしゃぶし、色とりどりのトッピング(大根、青ネギ、もみじおろし)で食す鯖しゃぶ。

普段料理をしない男性が、

「今度、家で鯖しゃぶしない?」

と言ってきたら、意外な料理で好感度がアップするのは間違いない。魚屋で働いた時、意外にモテたのは顔のハンデを魚が補ってくれたから。


※鯖しゃぶの作り方(4):塩分を流水で丁寧に洗い流し、キッチンペーパーで水分を拭き取った後、皮を剥ぐ


より親密度を高めるなら、大切な人と途中から一緒に作っても良いかも知れない。三枚に下ろす作業は魚臭いのと手が汚れるので男性が担当。

塩をまぶして寝かせる間に鯖の皮を伸ばして遊んだり。

まったりするなら手が生臭いはずなので台所洗剤で手荒れを気にせずゴシゴシ洗おう。何かを得たいなら、何かを犠牲にしないといけない時もある。


鯖しゃぶにするのなら、10月中旬から遅くても12月上旬までの時期、脂が乗った九州、五島列島産の鯖がおすすめだ。一般的なスーパーで400円~800円売られている。関サバを買って見栄を張る位なら、相性が良い定番の白ワイン、シャブリ(ランクはプルミエ・クリュで十分)でも買って”鯖のしゃぶしゃぶ”というレシピ名から漂うおやじ臭を消そう。

※鯖しゃぶの作り方(5):骨抜きで中骨を抜く


鯖しゃぶに薬味は必須だ。大根おろしと青ネギ、酢橘が無かったらスーパーまで走ろう。

※鯖しゃぶの作り方(6):鯖の身を薄切り(9mm厚がおすすめ)にする


鯖しゃぶの美味しさは何と言ったら伝わるかな。

シメ鯖で味わえる鯖独特の旨みだけでなく、サッと湯にくぐらせることで脂が解けて口の中で広がる甘さ。塩で生臭さと余分な水分を除いているので、鯖本来の味を薬味と火通し加減で一切れ毎にカスタマイズ出来る楽しさ。店長が教えてくれたのは素材にこだわるだけでなく、鯖しゃぶを通じて夕食の体験を楽しめということだったような気がする。

遅くなったけど、秋の夜は鯖しゃぶがおすすめ。


※鯖しゃぶの作り方(7):昆布だしの鍋で表面が白くなる程度にしゃぶしゃぶ


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