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金融機関は電気・ガスのような公共企業になるかもしれません。

2008年に起きたリーマンショックの反省から、世界は銀行に厳しい規制をかける方向に動いています。主な規制はバーゼルⅢとボルカールールです。

バーゼルⅢは金融機関に対して自己資本比率を7%以上に保つよう規制をするものです。これは市場に何か大事が起きても耐え抜けるように一定の体力を持つ者だけを銀行として認めよう、というものです。
これは2013年から19年にかけて段階的に導入されます。

一方、ボルカー・ルールは銀行が自己勘定でリスクテイクするのを禁止するルールです。
リーマンショックは銀行自らが自己資本で博打を打つことで過度に膨張した信用が、一気に萎んだことが原因のひとつでした。
こちらは2015年から運用される予定で、今後、銀行は伝統的な貸出業務以外は出来なくなります。
銀行の儲けのうち、証券取引などの自己勘定取引による部分は大きかったので、収益面ではかなりの痛手となります。

他にもあります。

現在はリスクフリーと見なされている国債についても、金利上昇時の損失を予想し、それに見合う引当の増加を求める案も上がっています。

実はこれをやられると一番困るのが日本の銀行で、一行あたり数兆円の資金調達が必要になってしまいます。邦銀は資産のうち国債の占める割合が大きいからです。こんな案が通ったら邦銀の増資は避けられないかもしれません。


ところでリーマンショックのような大惨事を二度と起こさないようにするには、実は二つのアプローチがあります。ひとつは金融機関を十分に小さく分割し、潰れても税金を使わなくてもいいレベルの規模に抑える規制をする方法。

もうひとつは、大きすぎてづぶせないなら、潰れそうになったら救済するかわりにガチガチに規制しよう、という方法です。

後者は社会主義そのものですが、バーゼルⅢもボルカールールもモロにこちら側の発想となっています。世界はこの社会主義的な方向を選択したようです。

これが何を意味するかというと、これからの金融機関は電力・ガス・通信のように公益企業化するということです。潰れないけどあまり儲かりませんよ、というわけです。

これは私のような配当重視の投資家にとってはむしろ朗報です。金融株は配当も高いので、配当投資としてはうってつけになるんじゃないでしょうか?

一方、利益率の高さを第一に見るバフェットなどからすると、外していきたいセクターでしょうね。

現段階では、まだ多くの人の中にリーマンショックの記憶が生きていて「金融機関みたいな胡散臭い銘柄を電力会社と同列に固い配当銘柄として見るなんて出来ない!」という感じだと思いますが、たぶん、私はそんな意識も今後十数年で変わってくると踏んでいます。

具体的な銀行名はG-SIFIs"Global Systemically Important Financial Institutions"というワードでググれば出てくる金融機関で、これらの銀行は政府保証がついたも同然です。



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