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ETV特集「終りなき戦い」今夜の放送です。



 一年がかりで撮影してきた最新作、
ETV特集「終りなき戦い 〜ある福島支援プロジェクトの記録〜」が
今夜11時から放送される。
放射線防護学者の安斎育郎さんら、
放射線への不安のなかで暮らす福島の住民を支える
ボランティア集団「福島プロジェクト」の活動を追ったものだ。
メンバーは75歳の安斎さんのほか、
原子核物理学者の桂川秀嗣さん(73)、
福島学院大学教授(健康教育学)の佐藤理さん(68)
エンジニアの早川敏雄さん(61)
同じくエンジニアで技術開発を担当する山口英俊さん(56)。
平均年齢66.6歳、
いずれもキャリア豊富な専門家が、
毎月3日間、福島に集結して住民への支援活動を行なっている。
放射線の測定はもちろんだが、
被ばくを防ぐための実践的なアドバイスをし、
ときには自ら汗を流して除染にも取り組んでいる。
福島では避難指示区域の一部を除いて
国による除染作業がかなり進んできたが、
実際のところ、
局所的に高い放射線を発する
マイクロ・ホットスポットがあちらこちらに残されている。


「福島プロジェクト」のスローガンは、
「事態を侮らず、過度に恐れず、理性的に怖がる」。
安易に「安全」を請け合うことはないが、
一方で「危険」を煽るような言動は慎重に避ける。
福島でも現に人が生活する地域については、
健康に明白な影響を及ぼすほどの放射線はほとんどないのが現状だ。
番組を見ていただければ判るが、
「福島プロジェクト」で
福島で現に生活している人の積算線量を調査したところ、
自然放射線や食べ物から平均的な日本人が受けている被ばくに比べ、
年間1ミリシーベルト前後多い範囲におさまっている。
(番組では一例の紹介だが、プロジェクトは複数の調査を重ねている。)
北欧諸国やフランスなど自然放射線の強い国の人々に比べれば
かなり低い被ばくですんでいるということだし、
国が除染の目標としている
「年間1ミリシーベルトの追加被ばく」をクリアしていることになる。
だからといって、
現状でいいということはないし、
東京電力や国が免責されるわけでもないことが重要である。
安斎さんによれば「放射線量は低ければ低いほどいい」、
原発事故に起因する住民のリスクは
より小さい方がいいに決まっているからだ。
だから、様々な放射線防護の対策を講ずるし、
国に対してさらなる除染を求めることが必要だというスタンスである。
(現状では環境省は「再除染」を拒否している。)

ぼくのように、
福島に通い詰め、
現地の人たちの生活の現状や抱く不安をよく知っている人間にとっては、
実に説得力があって共感もできる姿勢である。
(だからこそ、ぜひ番組にしたかったわけだが…)
しかし、原子力発電を推進してきた
「福島の安全」を強調したい勢力にとっては目障りだろうし、
一方で福島で生活することは危険だと主張する人たちからの反発もある。
40年以上にわたって
様々な“迫害”を受けながら「反原発」で通してきた安斎さんを
「御用学者」呼ばわりするトンデモナイ人もいるほどだ。
そういう人にこそ今夜の番組を見てもらって、
虚心に現実を見つめてほしいし、
「福島プロジェクト」の人たちの真摯な姿勢を受け止めてほしい。

番組の作り手としては、
「いまの福島の現実」をきちんと記録し得た自負はある。

ETV特集「終りなき戦い 〜ある福島支援プロジェクトの記録」

今夜11時Eテレでの放送です。ぜひご覧ください。




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