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土用の丑の日にうなぎを食べまくる文化は魚屋とウナギには迷惑以外何者でもない

こんにちは。元魚屋の2児のパパです。

土用の丑の日といえばうなぎ。テレビや雑誌でうなぎを見る機会も多い時期ですが、元魚屋の私の場合、”美味しそう”ではなく”ひどい目にあった”が先に思い浮かびます。




15年で国産ウナギの価格が2倍に高騰?


先日、イオンモールで国産うなぎをみたら1匹2,500円でした。私がデパ地下の魚屋だったころは静岡県産のうなぎが1匹1,380円くらいでしたが、いつの間にこんなに高くなったのでしょうか。

※原産国とは、景品表示法に基づく「商品の原産国に関する不当な表示」に規定しているとおり、「その商品の内容について実質的な変更をもたらす行為が行われた国」のことを指します。


土用の丑の日の焼き場担当は地獄


デパ地下ということもあり国産の冷凍白焼きうなぎを店舗の焼き場でかば焼きにして販売するという形でしたが、当時はお店の空調も悪く、ガラス張りのパーティションで囲まれた焼き場の温度は焼き台がフル稼働する土用の丑の日ともなると50度以上になります。

これが”ひどい目”の思い出のことで、冬場に惣菜用の魚を2、3枚匹焼く程度なら暖かくていいのですが、土用の丑の日に焼き場担当になると夜中から閉店までひたすらうなぎを焼く作業。

倉庫ほどの大きさの冷凍庫からうなぎの白焼きが詰まった段ボール(大量に入っているので重い)を取り出し(冷凍庫の中で乱暴に荷卸しをすると上からカチカチの冷凍物が落ちてきてひどい目に合います)解凍してはたれを付けて焼きを繰り返す単調作業。暑さと自分の汗臭さで死にそうになるという若手苛めのような作業でした。


たぶん広島で一番うなぎを焼いた


デパ地下の魚屋ということもあり、上は天然の活きたうなぎ(ホントにクネクネ動いてるやつね)から、中国産のカッチカチのうなぎまで幅広くうなぎを販売していましたが、本当に土用の丑の日の焼き場担当は嫌なイベント。

おそらく広島で一番うなぎを焼いたことから、魚屋をやめた今でも「なんで絶滅危惧種を一生懸命焼いてんだよ」というどうでもいい葛藤に襲われ続けています。

そうそう、うなぎに限らず魚は天然だから美味しいなんてことは全くないので、”天然”、”活”というシールを貼るためだけに仕入れた天然のうなぎより、国産冷凍養殖白焼きのうなぎを蒲焼にした方が柔らかくて脂乗りが安定していて3倍旨いです(魚屋レベルでは白焼きを蒸して柔らかくするなんてできません)


ほろ苦い土用の丑の日の思い出ですが、当時うなぎを焼きまくったことで、”冷めたうなぎを名店のようないい感じに焼き上げる”というスキルが身に付き、市販のかば焼きも美味しくいただけるようになりました。何事も経験ですね。


私以上にひどい目にあったのはうなぎご本人であることは間違いありませんが、土用の丑の日に絶滅危惧種であるうなぎを食べまくる文化ってどうなんですかね。

広島県民としてはその辺の波止場に行けばどこでも釣れる広島産のあなごをPRして、「土用のあなごの日」にしてもいいと思います。

以上、うなぎもええけど、アナゴも美味しいよって話でした。

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