東南アジア、特にタイではゲイが多いことが有名なんだそうですね。バンコクには仕事で何度か行きましたが、あんまりそういう印象は残っていません。それよりも、ここフィリピン。テレビでもゲイのタレントはよく見かけるし、売れっ子だとデッカい広告になってたりもする。最初見た時は、ちょっと引きました。
私の住むネグロスの言葉でオカマは「アギ」。田舎街のシライでもアギの人は実に多い。人通りの多い場所をものの10分も歩くと、一人や二人とは必ずすれ違うほど。(はっきりそれと分かる格好の人だけですが)
美容院では4〜5人美容師さんがいれば1人は、ほとんど確実にそうだし、意外に多いのがお店のレジなど、現金を扱う場所。フィリピンで経理関係の仕事は圧倒的に女性が多く、たまに男性がいると、まず間違いなくゲイ。
つまりフィリピンのゲイはカミングアウトしてる人も多いし、普通に働いている人も多い。私の知り合いにも、日本のNGOで働いていたゲイの人がいます。彼の場合、身なりは男性でメークなどもしてないので、言われるまで気づきませんでした。
しかし、だからと言って同性愛者が完全に社会全体に受け入れられているかと言うと、これはまた微妙な問題です。国民の大多数が信じるカトリックでは、少なくとも公式には同性愛は認められておらず、フィリピンでは同性婚などの法的承認はありません。
実は家内の従弟の一人がゲイ。名前は、カルロ。このカルロ君、両親が早くに離婚し、その後母親は日本に働きに出たので、子供の頃から伯母に育てられました。この母代わりの伯母さんは学校の先生で、どちらかというと保守的な考え方の人。カルロの性的嗜好については容認したものの、女装には反対。結局、高校を卒業するかどうかぐらいの時期に伯母の家を飛び出してしまいました。
その後、何年も音信不通でしたが、先日の叔父の葬儀の際、久しぶりに親戚のいる場所に顔を出しました。先週の息子の誕生日パーティにも来てくれて、約10年ぶりに会話。ちゃんと自活していて、アメリカの保険会社顧客の苦情などに対応する、オペレーターの仕事をしているそうです。
やはり、表向きは何も言わなくても、自分の家族がゲイとなると相当な葛藤があるようですね。
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