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ある前世の話し 異端者の物語


かつてあったお話しを再掲載いたします

石畳の道路に石造りの家々が並ぶ都市

イタリアの近くかと思います


病気をして働けなくなった者たちが街のいろんな所にいました

ある若者がそうした病をかかえて動けない方の身体をさすったり、良くなるようにお祈りしてまわっていました

しばらくするとこれらの病人のうちに回復しだして、動けるようになる方も出てきました

なかには喜びのあまり奇跡によって癒されたと言ってまわる者もいました

病気の母親と娘さんで暮らすところに、訪れて二人とも癒しました

そうして癒しを求める者がたくさん増えてくると、若者の噂は教会の耳にも入ってきました

「若者のなしている行為は教会の権威を落とすものだ。きっと悪霊の力によって病人から悪霊を追い出しているに違いない」

教会のものたちはそう考えて若者を捕らえました

そして判決で異端者と決まり、処刑所までひもでくくられて、街中をみせしめのように引き回されました

見物人たちは唾を吐きかけたり、石を投げたりしました

ことに、若者によって癒された人は、彼との関わりを疑われるのを恐れてよけいに彼に罵声を浴びせました

若者の血の流れる口から「許してください…」という言葉がかすかに聞こえました

それを聞いた街の人は、よけいに嘲笑して罵ったり石を投げたりいたしました

若者が本当に言っていたのは「主よ、彼らを許してください」という言葉でした

若者は街の広場で異端者として処刑されました

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