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事業リスクと最適レバレッジのよもやま話

企業がどれだけ良く経営されているかを計測するために、各社それぞれKPIを定めて定点観測するのが通常です。

KPIとは Key Performance Indicators の略で、組織の目標達成の度合いを計測するための重要指標と定められたものです。

ようするに「ウチの会社はこの指標を重視して経営してますよ」と公言して、決算毎にそれがどう変化したのか報告するわけです。

KPIにはROEやEBITDAなどがよく使われます。ソフトバンクやユニクロはEBITDAでした。米国企業ではROEが重視されるケースが多いようです。JPX400もROE重視となっています。


では会社とはROEさえ高ければいいのか言うと、全くそうではありません。
例えばここにROEが違う2つの企業があるとします。

ひとつは1億円の資本でひたすら日本国債をアホールドするだけの(株)国債ホールディングス。
国債の利回りが仮に0.3%だとすると(株)国債ホールディングスの営利は毎年30万円で固定です。この場合、ROEは0.3%、リスクはゼロです。

もう一つは1億円の資本で沈没船から金貨をサルベージする(株)トレジャーハンター。
営利は年-1億~1億でバラバラなものの平均5000万円。この場合、ROEは平均50%、リスクは水物です。


この2社を見て、明らかにトレジャーハンター社の方が優秀な企業と言い切れるでしょうか。難しいでしょう。

いやいや、それでも平均すればROE50%なんだから、いくらなんでも(株)国債ホールディングスよりは良いはず、という見方もできます。

じゃあ、こうだったらどうですか?
(株)国債ホールディングスのリスクはゼロなんだから、200億ばかり他人から借り入れたらいいんです。すると営利は200億×0.3%で年6000万。ROEは60%。リスクはゼロです。

どうですか?これなら(株)国債ホールディングスの方がよさそうじゃないですか?

いやいやちょっと待て。自分で国債を買えば0.3%もらえるのに、無利息でお金を貸すアホなんているわけないじゃん、お思いかもしれませんが、それがいるんです。

誰が貸すかというと、私とあなたです。

日本の普通預金の利回りは現在0.0ウン%ですが、銀行とはこのお金でせっせと国債を買うだけの簡単なお仕事がメインなんですよね。


少し脱線しましたが、このように、ROEとはそれ単体では企業の優劣を示すものではなく、その事業リスクとレバレッジを見極めないといけません。

営業利益率とか売上高CF比率なども同じことが言えます。

バフェットは営業利益率の高い企業がお好みですが、それはあくまでリスクが他社と比べてどうなのかという点も見る必要があります。

逆に営業利益率が低くても、適切にレバレッジを効かせてROEを高めている企業は買いを検討できると言えます。

株は売るか買うかの2択しかない単純なルールのゲームですが、奥は死ぬほど深いのです。



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