日本にいる時から、使おうかどうか迷っていた電子書籍。実は、もう10年以上も前に、ほんの少しだけ電子書籍端末の商品開発に関わったことがありました。学生時代から読書大好きで、数千冊の蔵書をフィリピンまで持ってきてしまったほどの本の虫の私。まさにこれぞ天職とばかりに熱心に取り組んだものです。
ところが、決定権を持つ管理職の方とは、最初から最後まで話が噛み合いませんでした。純粋に読書を楽しみたいと思う人にとっては、余計なお世話の機能ばかりをテンコ盛りにしようとするくせに、インターネット接続は面倒だからしたくない。
今、普及している書籍端末を見れば、この商品企画がどうなったかは想像がつくと思います。それなりに時代を先取りしてたのに、もったいないことしたなぁ。そんな苦い経験もあって、キンドルが出た時も飛びつかずに様子見を決め込み。その後、フィリピン移住のドタバタですっかり忘れて月日は流れ....。
移住後3年近く経過した昨年末。ふとしたきっかけで、新刊の日本のコミックを読みたくなりました。時々一時帰国する、日本人の友達にお願いする手もありますが、10巻一気にというのは、さすがに荷物になりすぎ。それならば、電子書籍しかありませんね。
私の知る限り、ここネグロス島で電子書籍端末を売っている電気店は皆無。また運送関連のインフラが貧弱で信頼性が限りなく低いので、アマゾンなどのネット購入・宅配というビジネス自体が、まだ成り立っていません。でも手元にはiPhoneもiPadもある。
早速無料のキンドル・アプリをiPhoneとiPadダウンロードして、コミックをネット購入...しようと思いましたが、思ったより高かったので、以前通読したことがある池波正太郎さんの「仕掛人梅安シリーズ・全7巻合本」をポチッ。読み始めこそ若干の違和感があったものの、読書体験としては紙の本と何ら変わらず、あっという間に読了してしまいました。
フィリピン移住に際して、新しい日本の書籍に接する機会は、ずいぶん減るだろうと覚悟してたのが、まったくの杞憂。同じように音楽はiTunesでいつでも買えるし、映画はApple TV。ドラマはYouTube。いい時代になりましたね。本当に海外に住んでるのを忘れてしまいそうです。でも気をつけないと、つい無駄遣いをしそう。
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