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本物の刺身を食べたことがありますか?料亭や寿司屋の刺身がおいしい理由

皆さんは刺身は好きですか?

私は刺身を食べるのも好きですが、刺身を作るのはもっと好きです。

いわゆる男の居酒屋料理しかできない私にとって、唯一料理人に近づける料理が刺身。




多くの料理と同じようにキッチンで食材と向い合い、結果は味で評価されます。

美味しいと言っていただけることもあれば、無言で終わることもありますが、それもまた勉強です。何を作るか、どうやって作るか、どのように食べるか。買い出しから刺身を召し上がっていただくまでの過程すべてが好きです。

おいしい刺身の作り方


刺身は魚を切るだけではありません。

食材選びに始まり、頭を落とし、ウロコと内臓を取る下調理。

まな板の真ん中で内臓を出すのではなく、何度もまな板を洗い流さないで済むよう、端から場所を替えながら調理する。

素材の味を楽しむシンプルな料理だから、身に匂いがうつらないように下調理と刺身を引く作業でまな板を使い分ける、布巾を替えることを怠らない。

余分な水分が含まれないよう、水で洗いすぎない。3枚に下ろす以降の過程では、まな板、包丁の水分、魚に付いた水分をキッチンペーパーで除き、水を吸わないようにする。下調理から食べるまでに時間がある場合、塩水で処理する。

料理中は手を使い分けるのも大切です。

食材に触るのは左手。包丁やお皿、調理器具に触るのは右手。右手で食材に触ると、その後に触る調理器具すべてに雑菌が移ってしまうため、こうすることで効率よく調理がすすみ、衛生面も高まります。

家庭料理はコストと時間が最優先されます。

この日の食材は活きのよい山口県産のウマヅラハゲ。山陽マルナカ可部店の朝市で、350円で購入することができました。どこの魚屋がどのような魚を売るか知ることは家庭でおいしい刺身を作る第一歩です。


刺身の切り方も食材と食べる人の嗜好の数だけあります。活きのいいハゲの薄造りは食感を楽しめる厚さが欲しい人と、フグの生チリのように薄い刺身を数枚まとめて食べたい人もいます。

あの人は白身を薄目に、あの人は貝類のコリコリした触感が好きなのでやや厚めに。食べる人の好みを知ることは大切です。

刺身を作ったらすぐに召し上がっていただきましょう。新鮮な魚は包丁を入れると身が縮み、断面から酸化が始まります。

食べる人が食卓に座ってから刺身を作る。
30分以内に食べ切れない量を出してはいけません。

料亭や寿司屋の刺身がおいしいのは、それなりの理由があります。

どうやるかではなく、なぜを知る


ネットには素材ではなく、どうやって作るかという情報ばかりあるような気がします。

ここに上げたことはスーパーの既製品や魚屋で調理してもらった魚ではできない事ばかりですが、手間をかけた分、結果は味として現れます。

直ぐに上手には出来ないかも知れません。手間も時間も掛かります。

例え見た目が悪くなったとしても、食卓に自分で作った料理が並ぶ方が、家族は幸せだと思います。

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