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春から釧路の家のリフォームに取り組んでいる。
築21年、
ツーバイフォーで建てた家だが、
サイディングの一部がはがれ落ち、
渋いグリーンだった屋根の塗装も剥げかかっている。
このまま放置して、雨でも滲み込むことになったら大変だ。

(今年5月撮影)

もともと老後を過ごそうと考えて建てた家である。
転勤族なので21年間の大部分は家を空けていて、
ここで過ごした日数をすべて足しても何年にもならないだろう。
その間ローンだけを払い続けていた。
バブル崩壊後とは言えまだ金利が高い時代だったので、
結局、借りた金の倍額近くを返したのではないか。
残債を退職金で完済して、
今年になってようやく完全に「自分のもの」になった。
そのときには補修が必要な時期に差しかかっており、
なんやかやで退職金の半分がこの家のために飛んだ計算である。
そして、家族の事情や
東京で病気の治療を続けていることもあって、
老後を釧路で過ごすという計画は半ば断念せざるを得なかった。
夏のあいだは出来るだけ釧路で過ごそうと考えているが、
それでも月の半分がいいところである。
ぼくに「人生計画」というものがあったとするなら、
それはすでにハチャメチャになってしまったワケである。

諸般の事情でツーバイフォーになったが、
できることならログハウスにしたかった家である。
どうせリフォームするのなら、
道東の環境に調和した洒落た家に生まれ変わらせたいと考えた。
数年前にウッドデッキを作ってもらった
地元の「丸善木材」という会社にお願いして、
壁に木のサイディングを張り巡らしてもらうことにした。


副社長の鈴木一浩さんの提案で、
(鈴木さんはファンクなオルガニストでもある)
木材の表面を焼き焦がしてから磨く
「焼き磨き」という手法で仕上げたカラマツ材を使った。


こうすると単純な塗装に比べ、
木目がくっきりと浮かび上がるのだという。



屋根はノワール(黒)で塗り直すことにしたので、
なかなか落ち着いた
シックな雰囲気の家に生まれ変わろうとしている。

四月に打ち合わせを始めて、
実際に工事が始まったのが六月。
きょうまで二週間釧路に滞在するあいだに、
だんだん仕上がりのかたちが見えてきた。
写真を撮って送ると、
東京の妻も「おしゃれだね」と気に入っている様子。
これから今月いっぱい、
仕事が忙しくて釧路に帰れないが、
下旬にはリニューアルが完成する予定である。
老後の日々をできるだけ長くここで愉しみ、
ゆくゆくは別荘として使うよう息子に遺すつもり。
いまは仕事や「デート」に忙しく
釧路にはなかなか寄りつかない息子だが、
やがてはぼくがそうだったように
道東の風土を好きになって欲しいものだと思っている。




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