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鳥や動物の鳴き声、雷、物がぶつかる音...。日本語を母語にする人同士なら、コケコッコーやワンワン、ニャー、ゴロゴロ、ドシン、ドカン、と書いたら何の音かは理解できると思います。ところが中学生の頃、英語の教科書に載っていた犬の鳴き声が Bowwow(バウワウ)。これには、すごくショックを受けました。

アメリカやイギリスの犬は、英語で鳴くんか? でも、アメリカ映画に出てくる犬は、やっぱりワンワン吠えてる。バウワウに聴こえなくもないけど、やっぱりワンワンの方がしっくりくるなぁと、真剣に考え込んでしまったことを覚えています。それ以外にも、ドアチャイムがピンポーンではなくDingdong(ディンドン)だったり、ドカンがBoom(ブーム)だったり。数え上げたらキリがない。

鳴き声や物音が、国によってそんなに違うはずがないので、これは聴いている人間の耳の違い。もう少し正確に言うと、脳が違うということらしい。例えば、日本語だけで育った日本語脳には、L音とR音の聴き分けができないとか、フランス語脳にはH音が発語できないということ。習得する言語によって、音声の認識に変化が生じるんだそうです。

聴く側が違えば、聴いた音の表記が違うのは当然。この理屈でいくと、タガログ語やビサヤ語で育ったフィリピンの人達に聴こえている世界は、日本人とも英語圏の人とも違うはず。本当かと思って、フィリピン人の家内に、隣の鶏舎で毎日やかましく時を告げる雄鶏を指差して、鳴き声がどう聴こえるか尋ねてみました。

トクトロオーク

え?
これはかなり驚きました。日頃、大阪弁を流暢に話す家内だったので、相手がフィリピン人だという感覚がかなり薄れていたのもあったとは言え、ここまで違うとは。でも考えてみると、鶏の声ってコケコッコーじゃなくて、聴く時の心理状態によって「オナカヘッター」や「ホソカワクーン」(細川君って誰?)など、変な聴こえ方するんですよ。私が変なんでしょうか?

犬・猫はバウワウにミャオなので、英語と同じ。多分アメリカ映画やテレビの影響でしょうね。ネグロス島で身近にいる動物では、ヤギがンメェで、水牛がンモォ。こちらは日本もフィリピンも大差がない。

それではとばかりに、先日裏庭で生まれた6羽のひよこ。その鳴き声がどう聴こえるのか、メイドのネルジーによると...。

チューチュー

ええ〜??
日本語脳の私には、ピヨピヨとしか聴こえないんですけど。チューチューはネズミですよ。家内に確認しても、やっぱりチューチュー。ふ〜ん、ビサヤ語脳ではそう解釈されるのか。それなら、日本語・英語・タガログ語・ビサヤ語が、脳内でごちゃ混ぜ状態の息子にはどう聴こえるのか? これは夏休みの研究課題になりそうです。


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