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ディーゼル車のNOx排出量を一斉に実走行テストしてみた結果…と、それでも将来もディーゼルが必要だと思う理由と。

ここ最近、すっかり信認が低下してしまった感のあるディーゼルエンジン。
先日記事にした通りNOxを排出することが問題視され(今さら感たっぷり)、フランスやイギリスでは2040年から内燃機関の販売を原則禁止する方向になったり、少し情緒面を優先し過ぎている気がしなくもなく。

そんな中、興味深い記事を二つほど発見したので、それを交えてなんやかんや書いてみたいと思います。



まず最初の元ネタは、こちら。
Beste Derさんの投稿 2017年8月6日


こちらですが、実走行時のNOx排出量を実際にテストしてみた模様です。
このNOx排出量はEuro規制というもので規制されているわけですが、これまで台上試験のみだったところ、2017年9月以降リリースされるモデルから実走行時の排出量にて測定されることになります。

ざっくりとまとめますと、
  • これまでの台上試験
    • Euro5(2009/9~2014/8)…180mg/km
    • Euro6(2014/9~Current)…80mg/km
  • 今後の規制ーRDE(Real Driving Emission)
    • Phase1(2017/9~)…台上規制値の2.1倍=168mg/km
    • Phase2(2021/9~)…台上規制値の1.5倍=120mg/km
が規制値となるわけです。

RDEの試験方法については、こんな感じでやることが予定されているようです。

ちなみに、ガソリンエンジンのNOx規制値は、Euro5の時から60mg/kmとなっています。
このことからも、いかにディーゼルエンジンのNOx低減が難しいことが分かるでしょう。


で、肝心の結果ですが。
auto motor und sportがRDEを想定して行った実走行テストにおいて、以下の通りとなった模様です。
  • BMW 520d*・・・28mg/km
  • メルセデスベンツ E220d・・・41mg/km
  • VW ゴルフ ヴァリアント・・・148mg/km
  • メルセデスベンツ C220d・・・215mg/km
  • マツダ CX-3・・・284mg/km
  • BMW X5(中古)・・・462mg/km
  • ボルボ XC90・・・477~498mg/km
  • フィアット 500X・・・845mg/km
  • アウディ Q3・・・864mg/km

最も優秀だったのは、新型BMW 5シリーズの「520d*」でした。
最新式のNOx後処理装置として、これまでのNSR**に加えてSCR***を用いたことが奏功しているようですね。
実走行で28mg/kmだったら、その辺のガソリン車より全然クリーンですよね、きっと。
 *日本の523dと同モデル(のはず)
 **SCR(Selective Catalytic Reduction):(尿素)選択触媒還元
 ***NSR(NOx Storage catalytic Reduction):NOx吸蔵還元触媒

次いで優秀だったのは、メルセデスベンツ Eクラス「E220d」でした。
新型2.0Lディーゼルエンジン『OM654』に加え、NOx後処理装置も強化したからなのでしょう。
この41mg/kmも、下手なガソリン車よりもクリーンだと思われます。

しかしメルセデス、旧型となった2.2Lディーゼルエンジン『OM651』を積んでいるとみられる「C220d」は215mg/kmと振るいませんでしたね。
Euro6が適用されて後処理装置にSCRが使われているとは言え、まだディーゼルに対して世論が甘い時代だったという背景もいくらかあるんでしょうね。

VWゴルフヴァリアントは、思ったよりもいい値でしたね。
このモデル、後処理装置はどうやらNSRのみのようですが、それで148mg/kmは優秀な値と言えるでしょう。
これ見て思わず、VWやればできるのに…何でかな~?って思っちゃいました。。

意外だったのが、マツダ CX-3が振るわなかった点。
これ、別の機関が行ったテスト(資料紛失orz)でも、マツダが意外にNOx低減できていないというのを見たことがあったので、やっぱりか~ってのが素直な印象。
まあでも、NSRもSCRも使わないでEGR(排気再循環)だけでここまで低減させているんですから、SCRを併用すればあっという間に超クリーンにできるだけのポテンシャルは秘めているわけで。

ワーストはアウディQ3の864mg/kmでした。
とは言ってもEuro5モデルなので、Euro6が適用されながら845mg/kmを叩き出したフィアット500Xが実質的なワースト一位でしょう。
FCAってVWディーゼルゲート事件以降ちょくちょく疑われていますし、欧州スズキが今回指摘されているモデルもFCA製エンジンだったようなので、まあある意味そうだよね~って感じでしたが。


ところで、私の乗っているBMW 320dはどうでしょう?
実はこれ、別ソースでたまたま見つけたのですが。

これ、VWゴルフの値がauto motor und sportのそれとほぼほぼ同じなので、同一条件でテストしたものと思われます。

BMW 320dのRDEでのNOx排出量は450mg/kmくらいですかね?
平均より下回っているとはいえ、ちょっといただけませんね。

個人的にもう一つショックだったのが、ジャガーXEのこの値。
ディーゼルモデルに関してはジャガー製インジニウムエンジンを積んでいるはずですが、それがこう出るとは。。


とは言っても、NOxなどの排ガスを考えるに当たっては個々の排出量もさることながら、総量的な視点も必要です。
当然ですが、NOx排出量が少ない車両ばかりでも、台数があまりにも多かったり渋滞で局地的に排ガス量が多くなれば、それこそ本末転倒的な感じかなと。
あれですよ、低カロリー低脂質の食べ物をガツガツ食べまくって、逆に太っちゃうみたいな(笑)

そんなわけで、内燃機関に対して規制を入れるのは結構なんですが、それならば地域を限定すべきだと思うんですよね。
特に内燃機関の販売禁止とか、そこまで強烈な規制に関しては都市部などに限定すべきだと思います。

まして、今回のそれは理論的というよりも情緒的な面が多分に感じられるわけで。
もちろん、情緒面をまったく無視して理論ばかりでもいけないとは思いますが、情緒面に偏り過ぎた場合、現実的な妥当性を考えると果たしてどうだろうと思うわけですよ。

で、そんなことを思っているところにBMWさんは言ってくれました。
駆けぬける歓び、BMW i 、エフィシエント・ダイナミクス:BMWグループは、エモーション(感情)とサステイナビリティ(持続可能性)を両立する。イノベーターとしての同社の強みと一貫して将来に焦点を当てた姿勢が、「メイド・イン・ジャーマニー」...
Beste Derさんの投稿 2017年8月7日


うん、ナイス。
というか、ごもっともなんですよね。

地球環境にとって問題なのは、NOxなどの有害物質だけじゃないんですよね。
そう、ここ最近頻発する局地的な豪雨や豪雪・過去に比べて勢力が甚大な台風・極端な風や竜巻の頻発などなど、様々な気候変動問題を引き起こす温室効果ガスの代表格『CO2』。
これの低減も避けて通れないわけです。
BMWが主張する通り、科学的根拠と客観的事実に基づいて、CO2排出量の低減というディーゼルエンジンの環境への貢献度なども考慮して議論すべきなんですよね。

まして今回、(たまたまですが)auto motor und sportが行ったテストで実際にBMWの最新ディーゼルシステムのNOx排出量が極めて少ないことが証明されたわけで。
それだけ環境保護技術の開発に勤しんできたBMWにとってみれば、ここ最近の世論(というかそれを左右するマスコミと乗っかる政治家)に対して物申したくなるのも頷けます。
いきなりディーゼルのみならず内燃機関のすべてをなくして電動化とか、ちょっと行き過ぎている感じが私もしていたので。

もちろん今後電動化は必要ですが、それと同時にディーゼルもよりクリーンにしながら上手に活用していくべきかと思います。
例えばですが、PHEVディーゼルに排気や触媒を電気的に温めるシステムを付与してコールドスタートでもNOxを低減しやすくするとか、NOx排出量が多くなりがちな走行シーンではモーター走行に切り替えるとか、いくらでもやり方はあるはずです。

逆に今のような情緒的な風潮に左右されて本質を見失うと、そのような現実的に妥当な方法での環境対応などの研究開発がしにくくなり、かえって悪い方向に行く可能性さえあると思います。
それって、みんなが望んでいることなんでしょうか?

マスコミや政治家が人気を取るために情緒に訴えるのはある面仕方ないことですが、本当に世のため人のため(地球のため&将来のためも)を考えているのなら、科学的根拠や客観的事実などの論理面もバランスよく考える必要があるはずです。


といったところで、今一度よく考えてみようよって意味で書いてみた記事でした。

んでは!

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