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48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載したクルマに乗りたい ~早くディーゼルでも出してくれ~

Sクラス(W222)のFLモデルに始まり、Eクラスクーペ(C213)や新型CLS(C257)にも搭載されてきている、48Vマイルドハイブリッド。
日本でもSクラス(W222)のFLモデルで「ISG搭載モデル」と称した48Vマイルドハイブリッド搭載なそれが販売され、話題を呼んでいますね。


個人的に数年前から注目している、48Vマイルドハイブリッド(MHEV)ですが。
その頃はてっきり技術による先進を標榜していたアウディが他に先んじて市場投入するものと思っていたのですが、蓋を開けてみればメルセデスベンツが先んじている今日この頃(苦笑)

そんなこんなの48V MHEVについて、あれこれ書いてみたいと思います。



現在出されているメルセデスベンツのそれは、48V MHEVで最もスタンダードなISG(Integrated Starter Generator)と電動スーパーチャージャーを有するものです。
ISGはトランスミッション内に配置されるスターターとオルタネーターを統合したもので、発進時や加速時のモーターアシストと減速時等にエネルギーの回生を行うものです。
電動スーパーチャージャーは、排気でタービンを回すターボエンジンの弱点である低回転域の過給を補うべく、48Vの電力でスパーチャージャーのように低回転域からタービンを回して過給するものです。
つまり、エネルギーを多く必要とする発進時や加速時、ターボが苦手とする低回転域を、それぞれこれらで補うことで燃料消費量を減らすことができるわけです。
これについては統計的なデータは取れていませんが、海外メディアから拾った情報によれば15%程度の燃費改善効果があるとされています。

ただこの48V MHEV、実は単にエコだけのシステムじゃなくてそれ以外にもメリットがあるんですよね。


まず挙げられるのが、エンジンをコンパクトにできること。
これについては、Sクラス(W222)のFLモデルが直列6気筒を積んでいることがその具現化された事例ですが。
これ、48V MHEVのISGがあることでベルトがなくなり、プーリーが不要となったわけです。
さらに、電動スーパーチャージャーがあることによってターボ車が不得手な低回転域を補えるので、ロングストローク化することができ、それによってボア間ピッチを狭めてエンジン長を短くできるわけです。
このようにコンパクト設計が可能となった直6エンジンなので、これまでV6エンジンが載っていたエンジンルーム内に収めることが可能になりました。
これにより、クラッシャブルゾーンの確保による衝突安全性や、重量配分とレイアウトの最適化などの恩恵にあずかれます。
さらに言えば、これが今後、直列4気筒や直列3気筒などに展開されれば、それらのエンジンの軽量化にもつながる可能性もあるわけです。


続いて挙げられるのが、ISGによる部品点数の削減と電動スーパーチャージャーによってターボチャージャーへの負荷が分散にされることよる、故障リスクの減少(耐久性の向上)です。
先述の通り、ISGによってプーリーとベルトが不要となったことで駆動ロスも減るわけですが、駆動するものがそもそもなくなったということは、この部分の故障や耐久性を気にしなくてよいことを意味します。
また、電動スーパーチャージャーが低回転域の過給を受け持ってくれることで、ターボチャージャーの負荷はいくらか分散できます。
現在のそれらは故障するような部位じゃないのかもしれませんが、それでも部品点数の削減や負荷の分散が行えたことで、こういうメリットもあるわけです。


最後に挙げるのは、パワーと乗り心地をワンランク上のエンジンのレベルにできることです。
巷で評価されている言葉を借りれば、今回のS450は直6でありながらV8に匹敵するフィーリングと乗り心地を実現しているってあれですね。
これも発進時や加速時にISGがアシストしたり、低回転域の過給を電動スーパーチャージャーが行うことで、静粛かつ滑らかでありながらトルクはしっかり出せるようになっています。
言うまでもなくモーターは極低回転域から最大トルクがフラットに出る性質を持っていますし、電動スーパーチャージャーによる過給は低回転域の補完だけでなくツインターボ的なブーストも可能となります。
文字面よりも、この図を見ればそれは明らかなわけですが。
さらに、ISGによってアイドリングストップからの復帰時やコースティングへのつなぎが非常にスムーズになったり、アイドリングをかなり低回転な520rpm以下にすることができたりと、静粛性&快適性のさらなる向上に寄与できることも特筆すべき点です。
ちなみにこのアイドリングを520rpm以下にできる件、ISGのモーターを使って振動を制御することで実現できたんだとか(ゆえに蓄電状況に左右されるようですが)。


このように、あれこれおいしい48Vマイルドハイブリッドシステム。
個人的にこのシステムの最も優れているのは、汎用性があることと思っています。

メルセデスベンツにせよアウディにせよ、まずはLセグメントから市場投入してきていますが、それは資本回収という経営的観点からの意味合いが強いためで、技術的にもコスト的にもコンパクトカーにも載せられるものです。
この手の新技術はいくら綿密に詰めたとしても、市場に投下して様々なユーザーに使われないと分からない不具合もそれなりにあるわけですが、そうした場合に利益率の高いモデルであればメーカーとしても対応もしやすく、現在LセグメントやEセグメントのみで展開されているのはそうした理由からでしょう。

むしろ本命は、Dセグメント以下のクラスでの搭載のはず。
というのもこの48V MHEVは、レイアウトに影響を及ぼさないコンパクトさ・柔軟さと、コスト・インパクトの少なさが売りですから。
そのような普及モデルに展開してこそ、この48V MHEVは真価を発揮するでしょう。

たまに「日本のハイブリッドには及ばない」「トヨタ式のストロングハイブリッドの方が優れている」とか勘違いしているコメントを見かけますが、プリウス的なそれはストロングハイブリッドゆえ物理的な大きさ・重さやシステム的な複雑さがありますし、高電圧ゆえに安全対策(太いケーブルや防護・遮断に必要な類の装置)も必要で、汎用性という点では48V MHEVに劣るんですよね。
まあ、燃費改善効果という点ではストロングハイブリッドの方に分があるわけですが、それならプラグインハイブリッドにすればいーじゃんってのが欧州流の考えなわけです(ちなみに私もその方が合理的だと思います)。

汎用性がないということは車種ごとに個別設計せざるを得ない箇所が増えて全体的には無駄が多くなりますし、規模の利益(作れば作るほど安く作れる)が働きにくくてコスト高にもつながるわけで、それがストロングハイブリッドが世界的に普及しなかった要因かと思います。
もし汎用性があったのならば、欧州勢もアメリカ勢もわざわざお金と時間をかけて48Vマイルドハイブリッドシステムを開発しないで、トヨタからストロングハイブリッドシステムを買っていた可能性があるように思いますし。
まあそれプラス、世界へのロビー活動が明らかに不足していた日本の政治家にも問題ありありですが。

要するに、日本式ストロングハイブリッドは中途半端で使いにくい上にコスト高なので、今後の電動化の覇権を握るのは、普及モデルでは汎用性のある48V MHEV、本格的なハイブリッドはプラグイン(PHEV)でってことになるように思います。
もちろんこれは欧州やアメリカ、さらには中国などを含む世界の主要市場でのデファクトスタンダードを予想しているのであって、ガラパゴスな日本市場がどうなるかまでは読めません。


ですが、私個人としては、ハイブリッドシステムとして合理的かつ運転する楽しさが増しそうな48V MHEV搭載車に次は乗りたいな~って思っています。
プラグインハイブリッドも興味はかなりありますが、やはり私のような庶民が乗る普及モデルで出来がいいことこそが自動車メーカーのあるべき姿だと思いますので、狙うなら48V MHEVですね。

先に書いた通り、48V MHEVはターボエンジンが苦手とする分野を補ってくれるわけですから、乗り味を犠牲にしないどころかその楽しさも増してくれていることでしょう。
そういう意味で、Dセグメント以下の普及モデル、しかももっと小さいエンジン(直4や直3)にこれを実装してほしいなって思います。

ちなみに、噂レベルではCクラス(W205)FLや次期3シリーズ(G20)に実装されるようですし、ともすれば次期ゴルフ(8代目)にも実装されるなんて話しもあります。
A4(B9)もFLのタイミングで出るかもですが、48V MHEV出る出る詐欺をやらかしているアウディはあまり信用できず(笑)

さらに言えば、ディーゼルに48V MHEVが加わることが個人的にベストです。
なんといっても、トルクフルでありながら意識しなくても低燃費(=CO2削減)を実現できるディーゼルエンジンに、それを補完する48V MHEVが備われば鬼に金棒かと。
低速域でのISGのアシストや低回転域での電動スーパーチャージャーによる効果は、ガソリン車のそれより寄与度は大きいようにも思えますし。


そんなわけで、注目の48Vマイルドハイブリッドシステム。
どんなものかS450でも試乗しに行こうかと思ったのですが、田舎過ぎて試乗車がありませんでした(泣)

ま、大本命のCクラス(W205)FLか次期3シリーズ(G20)が出るまで、待ってみましょうかね。


んでは!

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