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過去に何回かに分けて書いていた記事の続きです。

指標は明らかに割安なのに、なぜか誰も買わない株があります。
なぜみんな買わないのか・・・その「ワケ」を考える4回目です。

今回は「小型安定株」。「小型安定株」は時価総額が小さくて流動性も低く、安定的なキャッシュフローを過去数年間続けているものの、あまり知名度もなく話題にも上がらないのが特徴です。

��回目~3回目までの割安に見える株は、一見指標は割安に見えるけど、中身を見て行くと実は全然割安ではない、という流れでした。しかし結論から言うとこの「小型安定株」は多くの場合本当に割安です。特に目立った落とし穴はありません。

それなのに、なぜ放置されるのか。
これは一言で言うとプロの市場参加者に「えたいが知れない」と思われている可能性があります。

ひとつはガバナンスが本当に働いてるんか?という不安。

例えばその会社が創業したとき営業部長みたいなノリでやってた社長が、たまたま時流に乗って会社が大きくなり、そのまま上場してしまったような会社では、その社長は多分ワンマンだろうし、本当にステークホルダー全体のことを考えて「真っ当な経営」をする知識があるんだろうか?という不安がぬぐいきれません。そんな会社に株主として参加したら
「自分達の立場がないがしろにされるんじゃないかしら?」
とか
「突然変なこと始めるんじゃ!?」
という心配があります。

また、過去に1回でも首をひねりたくなるような資本政策をした場合にも、この手の心配を感じてしまいます。具体的には理にかなわない変な株式分割とか、株主価値を下回った価格での増資とかです。
ぶっちゃけ「ここの社長、頭悪いんと違うか!?」と思われている場合です。

その不安が的中し、本当に事態が急変するような出来事が起きた場合、流動性がないと離脱することもできませんから、大量の資金を運用するプロの人たちは手がけにくくなります。

プロが入ってこないということは、その株の所有者は価値に対して理解が無い人ばかりで構成されますので、株主価値より大幅に安い価格で平気で売るような人が続出しますし、株主総会で変なことを言う株主も続出します。
例え変な株主でも、たくさんの株主に言われたら経営陣もある程度そういう株主に配慮した経営をするハメになり、本当に経営に悪影響を及ぼすこともあります。

私が以前持っていた小型株では、そういう株主が執拗に株主優待を要求し、本当に株主優待を新設するハメになりました。まだ成長期だというのに・・・。

こんなことがあるので株価は自然に割安な水準まで下落し、そのまま放置されます。

ここでもし「実は頭のいい社長」だった場合はその辺の事情を汲み取り、プロにIRをするはずです。そしてプロが感じている不安を取り去る(=WACCの低減)ことができれば、いくらかの株を持ってもらうことができ、その結果、株価は割安に放置されることはなくなります。
つまり「割安状態が長期間続いている」という一点だけで、「ここの社長、やっぱアホだわ」と判断してほぼ間違いありません。

ですが、数字上は特に問題が無いので、事態が急変するような出来事が起きない限り、本当にお買い得な株であるといえます。
またこの手の株は「竹田和平銘柄」であることが多いので、株主に竹田和平さんを見つけたらこういう株の可能性が高いと思います。

持ってても全然上がらないけど、配当もらえればいいや、という位の意識でやる投資ならお勧めの銘柄とは思います。

関連記事「成長しないなら配当しろ!

P.S.
最近知ったのですが、こういう株を専門用語で「バリュートラップ」というそうです。

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