株や不動産はインフレに強いと一般的には言われていますが、インフレの今現在、現実には世界中で株価は下がっています。
ですので、今そんなことを言おうものなら針のムシロは必至ですが、今日はあえて言ってみたいと思います。
自分はこれについては
「株や不動産はインフレに強いけれども、インフレと株高が同時に起きるのではなく、起こるのには少し時間差がある」
と思っています。
例えば、ここに100万円の原材料を使って製品を作り、200万円で売っている企業があるとします(自動車くらいの値段をイメージ)。
そういう会社がインフレで原料価格が2倍に上がり、ピンチに陥るとどうなるでしょうか。
その場合は以下のようなフェーズをたどると思います。
①原料高等が起きて原料価格200万円になる
↓
②コストダウン等の企業努力を限界まで行う。
↓
③それでも無理なら、利益が減ったり、最悪赤字になる
↓
④ライバル企業も含めて業界全体の利益(投資家からすると利回り)が下がる
��↑その企業特有の問題ではなく、誰がやっても無理な状態)
↓
⑤すると、投資家は儲からなければ投資しないので株価が下がる
↓
⑥度を越えて株価が下がると買収解体されたり、そもそも赤字では潰れてしまうので会社自身の「存続危機」が起きる。
↓
⑦会社は存続のためにやむなく投資家が求める利益水準を達成可能にするために製品を値上げする
↓
⑧ここでこの値上げが消費者に受け入れられれば、再び正常な軌道に戻るが、受け入れられなければ倒産
この時重要になるのは、その会社が存続しなくなると困る人がどれだけいるかということです。
商品の価格というのは対人交渉とまったく同じで、究極的には「交渉が決裂するとどちらがより困るか」で勝負がつくと思います。
すなわち、値上げするモノが本当に社会が求めるモノなら企業が優位、消費者が不利。
あってもなくてもいいようなモノは、消費者優位、企業が不利。
もし、その会社が本当に社会にとって必要な会社であれば、値上げは「消費者との交渉」に勝ち、成功することになります。
逆に「消費者との交渉」に負ければ、その会社は外部環境に対応できなかった弱い会社であり、生物の進化と同じくここで絶滅します。
さて、ここである会社がこの環境変化を乗り越えて生き残ったとします。この企業はこの時どうなっているでしょうか。
多分、原材料費が2倍の200万円になり、製品価格も2倍の400万円になり、その結果、株価も2倍になっていると思います。
しかし、株価が2倍になったと言っても、株主にとっても世の中のモノすべてが2倍に値上がりしているので、売って現金化しても買えるモノの量はインフレ前と同じです。
つまり「金額は増えたけど、別に儲かったとは思えないなぁ~」という感覚になっていると思います。
この状態・・・インフレ前とインフレ後で買えるモノがほとんど同じ・・・つまりインフレヘッジにはなったということが起きます。
もう少し考えを進めて、この一連のサイクルで投資家がどうアクションを取るのが良いのか考えてみます。最高なのは
「①のインフレ開始時に現金化し、株価が下がり切った⑦~⑧のあたりでごっそり買い戻す」
です。次点が
「何もしない」
最悪なのが
「①~⑥、⑦あたりまでホールドしてしまい、⑧の頃にビビッて売る」
となります。
最悪パターンですと、株で損して、その後のキャッシュの価値低下で二重に損してしまいます。
自分が思うに、今現在はほとんどの企業は⑤~⑧にいると感じます。
とすると、今取るべきアクションは「現金があったら良い企業をちょっとずつ買う」が合理的で、
「すでに全部買っちゃって現金ねぇよ!ヽ(`Д´)ノ」
という場合は、少なくても今ここで「売る」という選択は無しではないでしょうか。
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