この100年に一度(←これからは10年に1度くらい来そうですが)のクラッシュから1年間、この貴重な期間をリアルタイムに体験して、株の基本である安く買って高く売る、を忠実に実行するのは本当に難しいなーと思った。
今日、株の初心者が週足や月足でチャートを見れば、↓みたく
「別に底で買わんでもこの辺で買ってこの辺で売れば十分じゃね!?」
とイージーに言うかもしれません。
でもそれは遠目に山を見て、あー行ってこー行けばカンタンに登れそうじゃん?と思うのに似ている。いざ実際に登りに行くと、現場では岩や藪や崖で前に進むことさえ出来なくて愕然とする。
例えば、”この辺で買って”の時には、リアルタイムでは次のようなことが起きていました。
雇用や消費など景気を示す指標は日増しに悪くなっていき、その度に株価はドカンドカンと大幅に下落していました。
上がる理由なんかどこを探しても一つも無く、悪い指標が出そうなのは出る前からみんな分かってるので、普通なら織り込み済みのハズなのに、それでも下がる。
ポジティブなニュースもたまに出るけど、その場合は”材料出尽くし”とかいって、やっぱり下がる。
まるで大昔のゲーセンによくいた不良のカツアゲみたい。。。
逃げようとすると、
「テメー、ナメてんじゃねーぞコラ!」
と怒られ、”すいません”と言うと、
「スイマセンじゃねーんだよコラ。」
と怒られ。
どうすりゃいいねん・・・。
また、ヤフー掲示板とか一般ブログでは
買い豚死亡(^^)
みたいな罵倒の嵐。
そして実際にその通り毎日株価は下がり、夜な夜な
買い豚のみなさん、ごちそうさまでした(^^)
という煽りコメント花満開。
買い方にとっては罵倒する人に自分の金を取られてるような状態だから、これはたまらない。マトモな精神の持ち主だったら、こんな状況では買えなくて当然と思います。
しかし、後から見れば、確かにその時が最高の買い時だった。
こんなことをリアルタイムに体験して、安く買って高く売るのはドMでないと難しいと思いました(;^ω^)。罵倒された上に実際に大損しながらニコニコして買うんですから、これでは株で儲かる人は1割以下というのも頷けます。
それなら、いっそトレンドフォローに転向しようかなーと思うも、これはこれで成功するにはボックスと上下トレンドへの突入・終了を人より早く見分ける特殊能力が必要。
ところが、みんな自分だけは「人より早く」見分けられると思っているのだから、これも買い屋、売り屋と同じく行動ファイナンスで言うところの「自信過剰」に変わりは無し。
結局はセンスというか、才能みたいなものがないと、稼いだ小銭は往復ビンタと損切り失敗玉のお漬物ですぐに召し上げられてしまいます。
しかも、このジャンルにはゴールドマンみたいに自分で強引に短期トレンドを作れるプレイヤーもいますしね・・・。
売り屋の場合も、結局は買い屋と同じで、バブルで皆が踊りまくってる最中に、青天井に毎日膨らむ評価損とレバレッジ、返却期限、金利に震えながら売らなくてはいけない。ちょっと担がれてビビッてすぐ踏まれるようでは真の売り屋とは言えないし。
いやいや、本当に勉強になった1年間だった。やっぱり株はどうやっても難しいと。だけどやっぱりおもしろい(^^;)。
※用語解説
【買い豚】
空売り派が買い方を罵倒するときに使う言葉。(反対語:売り豚)
【往復ビンタ】
例えばサポートラインの節目において、サポートラインを割ったので底割れと判断して売ったら戻った(ダマシだった)ので損切りし、それではサポートされたと判断して買い転換したら、その後本当に底割れしてまた損切り。またはこれに類似した状況。
【玉】
現在持っている株のポジション
【お漬物】
損切りできずに塩漬けになったポジション(注:MY用語^^;)
【担がれる】
空売りにおいて、買い方の勢力に負け株価が上がってしまった状況。
【踏まれる】
空売りにおいて、あきらめて売値より高値で買い戻すこと。
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