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我が家のバルコニーに薔薇が咲いている。
アイスバーグという品種の白い薔薇。
日記を読み返せば、
おととしは3月の中旬に咲いている。
去年が4月中旬、今年は5月中旬に咲いた。
年々一ヶ月ずつ開花が遅くなっているのは、
どうしたことか?
そして、今年の花はなんだか妙に貧弱である。
いい花を咲かせようと、
妻が冬のあいだに葉を全部切ってしまったのが
逆効果になったのかもしれない。
ケチったつもりはないのだが、
結果として肥料が足りなかったのかとも思う。
花を育てるのは難しい。
牡丹の鉢は買って4〜5年になると思うが、
蕾さえつけたことがなく観葉植物になっている。

きょうは下北沢にある江戸前寿司の名店、
「小笹寿司」の先代・岡田周蔵さんの祥月命日。
今年は七回忌にあたる。
幸い番組が終わったばかりで忙しくないので、
ぶらり谷中まで墓参りに行ってきた。
岡田家の墓は大変古いもので、
墓碑の正面には
江戸時代に亡くなった人の名が刻まれている。
岡田さんは三代続いた江戸っ子どころか、
三代続いた寿司屋だそうだが、
根無し草のぼくには気が遠くなるような話だ。

墓参りを終えて谷中界隈を歩く。
このあたりは驚くような古木があって、
古木・巨木が好きなぼくには愉しいところ。
岡田さんが眠る寺のすぐそばには、
ヒマラヤ杉の巨木が
隣の小さなパン屋さんを
半ば侵食するようにして立っている。

二十年前に住んでいた
「よみせ通り」あたりまで歩く。
大給坂を登ったところには、
天を衝くような銀杏の古木がある。
銀杏の木を囲んで
ちいさなちいさな児童公園になっている。

墓参りをしたら寿司が食べたくなったので、
夜は下北沢の「小笹寿司」へ。
岡田さんが店を開いていた場所から
100mほど奥まったところで、
弟子の西川勉さんが
いまも「小笹寿司」の看板を掲げている。
先代の味をよく引き継いでいて、美味。
小鰭、鯵、真子鰈、縞鯵、蒸し鮑、煮蛤、づけ…いずれも旨い。
一緒に来られなかったかみさんに恨まれながらの贅沢三昧である。
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