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今日も二本潜る。
一本目は昨日と同じ、
島の北部にある一番人気のポイント「秋の浜」へ。
水が相変わらず悪いので、
マクロレンズ(ライカ45mm)をつけて入る。
水深7〜8mのドロップアウトの壁に
ベニカエルアンコウがペアでついていた。
前回来たときも、
ほぼ同じ場所でペアを見ている。
たぶん同じカップルだろう。
上の写真はでかい方(=♀)で、
お腹が大きく、苦しそうな息をしている。
臨月なのか、食べ過ぎたのか、どちらかだろう。




二本目は
島の西側にある「ケイカイ」というポイント。
打って変わって水はきれいだが、
凄まじいスピードで潮が流れている。
潮に流されて潜る
ドリフト・ダイビングの経験は少なくないが、
これだけ強い潮の流れは記憶にない。
潮に逆らって進むときは
岩に捕まり、
腕の力を使って匍匐前進のようにして進むが、
体力を使うので息がぜいぜいと荒くなる。
エアの消費量も凄まじいほど多くなる。
潮に乗って
イサキやタカベの群れが目の前を飛んでいく。



一番の狙いは
ハンマーヘッド(シュモクザメ)だったが、
潮に吹き飛ばされないよう
岩にしがみついて体を支えるのがやっとで、
カメラを構える余裕などあったものではない。
吐き出した泡が真横に流れていくのがわかる。
これでは「軽快(ケイカイ)」どころか、
「爽快」を通り越して「豪快」である。
結局、ハンマーヘッドは2尾現れたようだが、
ぼくは現認できなかった。
後で聞いたらどうやら頭の上、
水面近くを泳ぎ去っていったらしい。
真上を向いている余裕などなかったのである。
久々の“体育会系ダイビング”で、
明日は筋肉痛に悩まされることになりそうだ。




潜り終えて民宿で撮った写真をチェック、
温泉に行こうと外に出てみたら
夕空に富士山がくっきりと浮かび上がっていた。
慌ててカメラを取りに戻り、
日没を挟んだ時間、写真を撮りまくった。
ふと気がつけば、
ぼくのいる岸壁は
寄り添って二人の時間を過ごすカップルばかり。
場違いなカメラ親爺は迷惑だったか…と少々反省。
それと同時に、
生活のリアリズム抜きに
ロマンチックでいられる年頃が羨ましくなった。
…ひとっ風呂浴びて、
今夜も地の魚で一杯、べっこう茶漬けで締める。
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