地下鉄南森町の駅にほど近い、
高速道路沿いにその店はあった。
大阪でも有数の人気を誇る
ホルモン焼きの専門店「万両」である。
裁判所で人と会って、
ホテルに向かう道すがらだった。
予約をしなければまず入れない店だが、
ちょうど午後5時の開店にぶつかったので、
ダメ元で訊いてみたら6時半までなら…という。
夕食にはちょっと早かったのだが入ってみた。
ともかくメニューが豊富である。
ホルモン歴40年を誇る(?)ぼくでさえ
知らない部位の肉がごろごろある。
写真はテツ(牛の腸)の盛り合わせで、
左からテッチャン(大腸)、コリ(盲腸)、
それにコテッチャン(十二指腸…小腸?)。
同じように胃の盛り合わせは、
ミノ(第一胃)、ハチノス(第二胃)、
センマイ(第三胃)、アカセン(第四胃)と揃う。
レバーは実に新鮮で、鮮やかな小豆色をしている。
開店まもなくほぼ満席状態になったが、
ほとんどが女性客であることに驚いた。
昔は、ホルモンといえば、
煙の充満した小汚い店で
草臥れたおやぢ(つまり、ぼくである…)が
どこか屈託しながら食べるものだった。
間違っても、
若いカップルや
女性のグループが来るようなところではなかった。
時代が変わったものだなあ…と思う。
まさに、隔世の感である。
「万両」のホルモンは旨い。
脂っこい部位ばかり食べたので後で少々もたれはしたが。
生ビール(嬉しいことにドライではなくKIRINである…大阪はドライばかりでうんざりする)を3杯飲み、
4千円しなかったから値段もまずまず安いといっていいだろう。
何より、人間が食べ得るあらゆる部位を網羅したのではないかとさえ思えるメニューの豊富さは、
すべてをたいらげるために必ずまた来たいと思わせるものだ。
…もっとも、味だけでいうなら、幡ヶ谷の「大昌園」の方が上だと思う。
「大昌園」のおばちゃんも大阪の出のはずだから、
いずれにせよ、ぼくがこよなく愛する「ホルモン」は西高東低には違いないのだが。
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