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前回のブログで書いたように、
震災にショックを受けて少々情緒不安定に陥っていたのだが、
いつまでも遊ばせてくれるほどうちの会社は甘くはない。
放心状態にあったのは正味三日間で、
先週はさっそく岩手県沿岸部の被災地に入って医療の被害状況を調べた。
今日また、大館能代空港経由でもう一度被災地に向かっている。
4月上旬まで、そのまま岩手県に滞在する予定だ。

岩手県の医療を支えてきたのは27(だったと思う)ある県立病院で、
それがここ数年は急激な医師不足に見舞われていた。
とりわけ沿岸部の病院は深刻で、云わば「医療崩壊」の瀬戸際に立っていたわけだ。
ぼくは、2年前、追い込まれた岩手県が試みた医療再編を素材に番組を作っている。
今回はその医療崩壊危険地帯を大津波が直撃したわけで、
事態の深刻さはひとしおである。

先週現地を訪れて痛感したのは、医療者も被災者に他ならないということだ。
例えば、津波で家を失った看護師さんが、
病院に泊まり込んでほぼ不眠不休で働いている。
本来なら避難所にいるべき人たちが、
自らの生活再建の目処も立たないまま働き詰めに働いているのである。
こんなことが続くはずがない。
一般にこうした災害時にはトリアージなどの救急医療が問題とされ、
それに対応する緊急医療応援のシステムはある程度整備されているのだが、
実はより困難な課題は被災地に「持続可能な医療」を再構築することだろう。
このままでは疲弊し燃え尽きて現場を去る医療者が続出するのではないだろうか。
そうなれば、「医療崩壊」どころか「地域崩壊」ということにもなりかねない。
当座の緊急対応が役割を終えたところから
復興に向けての長く苦しい戦いが始まるのであって、
息の長い、日常的な支援のシステム作りが焦眉の課題である。

岩手沿岸部にある県立病院のなかで、
陸前高田、大槌、山田の各病院は建物自体が損傷を受け、
地域が壊滅的な被害を受けたこともあって、存続は難しいだろう。
医師不足のなかで限られた戦力をどう再配備し、
如何に医療難民を出さないかという県を挙げての取り組みが始まろうとしている。
腰を据えて記録していくつもりである。
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