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南国映画館「トラ・トラ・トラ」

ここ最近我が家には日本人のお客さんがよく来てくれます。それも30歳〜20歳の若い人たち。環境NGO関連の仕事をしていて、まだ学生の方も。ネット上でも「最近の若い連中は...。」的なボヤキを時たま見かけますが、我が家に来てくれる人を見ている限り、全然そんなことはない。むしろ私が同じぐらいの年齢の時より遥かに優秀だし、自分の考え方もしっかり持っている。

テニスを一緒にしたり、パーティだったり。お互いに現地に溶け込んで生活している分、やっぱり日本語での会話は貴重。来ていただく理由は何であっても、だいたい話し込んでしまいますね。先方にしてみれば、父親ぐらい歳の離れたオッさんの長話に付き合わされて、迷惑かもしれませんけど。

先日は、何からつながったのか昔の戦争の話になり、お客さんの一人、Yさんのお祖父さんが海軍に在籍されていたことが判明。実は私、子供の頃はハセガワのウォーターライン・シリーズの軍艦や、タミヤ模型の1/35スケール戦車などのプラモデルを一生懸命作ってました。小学生のくせに軍事関連専門の月刊誌「丸」を読んでいた変な子供だったこともあり、お祖父さんの搭乗されていた戦艦「榛名」も名前は知ってました。

そんなこんなで会話が弾んで戦争映画の話になり、私の中では太平洋戦争を扱った映画の最高傑作だった「トラ・トラ・トラ」に話題が及びました。この映画、公開は1970年。もう45年前になるんですね。製作は20世紀フォックスで、1941年、当時ハワイ真珠湾(パール・ハーバー)にあったアメリカ軍の基地を、日本海軍が奇襲攻撃をして壊滅的な打撃を与えたという史実を映画化した作品。「トラ・トラ・トラ」とは奇襲攻撃が成功したことを知らせる暗号通信です。


当然のことながら、映画の公開当時はYさんも、一緒に来ていたHさんも生まれる前。下手するとご両親がまだ出会ってないかも。そして二人ともこの映画のことは知りませんでした。日本人俳優がたくさん出演していて、日本側エピソードは監督から脚本からスタッフが全て日本人。ハリウッド映画としては、奇跡的に日本がきちんと描けている作品なんだけどなぁ。生まれる前の映画だったら、知らないのも仕方ないか。

そういう流れで、浜村淳さんのように(という冗談も多分若い人には通じない)映画解説したところ是非観たいとなって、翌週末、日本人三人のDVD映画鑑賞会。こう言う時に50インチの大画面と5.1サラウンドはいいですね。

途中で退屈してしまうのではとの心配をよそに、若いお二人さんずいぶん真剣に見入ってました。CGによる特殊効果など存在しない頃の映像。ゼロ戦を始め、登場する航空機はちゃんと人間が操縦して飛ぶ機体を改造して再現し、戦艦長門は原寸大のセット。圧巻は空母赤城からの朝日を受けての発艦シーン。これも空母はアメリカ海軍から借りた本物で撮影。やっぱり丁寧に作られたものは、時代や世代を超える力があるようです。

まぁ、選りに選ってわざわざフィリピンでこんな映画を?と思わなくもないですが、これに味を占めて時々みんなで映画鑑賞会をしようと企んでます。

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