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排ガス環境性能開発の機運上昇 ~CO2対応と相まって欧州車が台頭する兆しとなるか?~

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VWスキャンダル、ボロボロボロボロ出てきますね。
結局のところ、EUとの癒着もクロに近い形になってきているようです。

そんなこんなでドイツ車ピーンチ!なんて思いきや。
私は逆にこれがドイツ車がさらに伸びていくチャンスかと思っています。

今日は、これについてウダウダ書いてみようと思います。


まずもって、以前も書いた欧州の環境規制ですが。
http://audi-importcar.blogspot.com/2015/01/blog-post_31.html

こと自動車の排ガス規制に関して言えば、アメリカのZEV規制やTier2規制、日本のポスト新長期に比べるとわりかし緩いな~って印象がありました(特にユーロ5の内容やユーロ6の導入が遅かった点)。
これ、やっぱり経済政策優先であったことは想像に難くないですね。

おそらくですが、自動車メーカーもそれに甘えていたか、もしくは結託(癒着)していた可能性が高いわけで。
また、COP21等で騒がれいた時期も重なることから、「環境」というと『地球温暖化=CO2エミッション』というバイアスが強い中、CO2対策を優先して排ガスはそれほど注目を浴びていなかったという点もあるでしょう。

実際、特にドイツ車に関してはCO2エミッション量やそれとほぼイコールな燃費性能はクローズアップされることが多かったように思うのですが、排ガスについてどうのこうのって記事はほとんど目にすることがありませんでした。
そのためかどうか分かりませんが、ドイツ車メーカーは、CO2エミッション量&燃費性能とスペック&ドライバビリティの両立に力点を置いている感が強かったように思います。

また、これは完全に憶測になりますが、排ガスについては(もしかしたらCO2エミッション量・燃費性能についても)テスト台の上で数値が確保されればそれでよかったという面もあったのかもしれません。
なお、個人的にコレは一概に否定できないものと考えます。

というのは、そういうルールで運用されていれば当然の帰結ですし、何でもそうですがテストと実際の乖離ってありますよね。
机上の空論に始まり、学校の成績と仕事具合、TOEICの成績と実際の英語力等々、何も自動車に限ったわけではなく。
現実世界の限られた時間や資源において何かを評価するには、仮定・ルールに則って統一した試験方法においてそれを行うことは、ある程度致し方ない面があるわけです。

それが今回、VWスキャンダルのおかげ(?)で明るみに出た、テスト値と実走行値があまりにも違うという問題点。
これを指摘した環境評価機関もVWのそれを見つけたのは偶然で、本来は排ガスのテスト方法に一石を投じるべく行ったらこうなったとも言っているようです。



・・・で。
ここからがようやく本題です(長ったらしくてスミマセン)。

先ほども書いた通り、CO2エミッション量&燃費性能とスペック&ドライバビリティの両立を目指すべく、ドイツ車各メーカーはこれまで注力していたわけで。
また、以前は故障が少なくなかったドイツ車ですが、世界戦略に重点を置いてからは、大小問わず品質も改善されてきています。
その証拠に、特に2012年以降は深刻な故障はほとんど聞きませんし、マイナートラブルもかなり減ってきているように思います。
つまるところ、これらの要素がそこそこ揃ってきていた頃合いだったんですよね。

そんな矢先に、次なる懸案は新たに出てきた『排ガス規制強化の対応』ということになるわけで。
規制強化というよりも、より実態に即した形で試験値を求める理想形に近づいていく傾向といいましょうか。
今後の試験については、路上走行や実際の加速度に近い形での試験(WLTCモード)が適用される公算が高まってきたわけで。
そうなると、ディーゼルばかりでなくガソリン車も対象になってくることは確実でしょう。

そうしたときに、燃費・CO2・スペック・ドライバビリティ・品質が整ってきつつあったドイツ車メーカーが排ガス対応に注力したら?
なんとなく、ポジティブな想像がつきますよね。

また、別記事でも書きましたが、今後エコカーの大本命と思わしきPHEVでは欧州勢が先行しておりますし、これに加えて、より低廉な48Vマイルドハイブリッドは一般モデルにも適用されていくと思われるわけで。
燃費・CO2・スペック・ドライバビリティ・品質+排ガスクリーンが、より向上していく可能性が高いと思っています。

このような前提で考えると、ドイツ車メーカーは一時は苦しいんでしょうが、これを乗り越えればやっぱり優位な位置にいるんだろうなという気がしています。


ちなみに48Vマイルドハイブリッドはエコカーとまではいきませんが、システム自体が小さく済みますので、小型車にも搭載でき、費用もさほどかからないとされています。
http://audi-importcar.blogspot.jp/2015/03/202048v.html

このため、エコカーの本命がPHEVであれば、一般車のスタンダードは48Vマイルドハイブリッドが覇権を握るように思います。
本来はCO2排出量を削減するために導入されるものですが、排ガスが多く出るようなシーンでこれを上手に使ってエンジン負荷を低減する等ができれば、排ガス量自体を減らして環境親和性を上げることができるかも知れませんし。
もちろん、この分野の開発で先行しているのも欧州の自動車メーカーやサプライヤーなわけで。

他の国の技術開発や取組みよりも先行しているのは、火を見るより明らかですよね。
別に贔屓しているわけじゃありませんが、事実とそこから見える背景を組み立てると、私としてはこのように思えるわけです。


さて、実際にはどうなりますかね?

私の予想が外れるとしたら、マツダが新しい技術革新を早期にやってくれることくらいでしょうか。
以前も書いたガソリンHCCIエンジン、東京モーターショーで復活するとされるロータリーエンジン、その先にある水素ロータリー等、奥の手をたくさん持っているわけで。
この辺はまた、別記事にしたい(気が向いたら)と思います。


んでは!








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