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電気自動車の課題克服の救世主『全固体電地』に見る、今EVを購入することの時期尚早 ~安全、短時間充電、動作温度域の広いハイポテンシャル・バッテリーの登場を待て~

電気シフトが加速する、自動車業界とそれを取り巻く政治的な思惑。
環境問題のみならず経済のパイを大きくするための手段でもある自動車の電動化は、これからの時流に必要不可欠なのは間違いありません。

しかし問題は、現在主流のリチウムイオン電池の課題そのものでもある、充電時間の長さ。
数分で満タンにして数百km走ることができるガソリン車やディーゼル車に慣れた現代人にとっては、今さら充電のために数十分や数時間待つことはなかなかの苦痛で、それが電気自動車の普及を妨げているといっても過言ではないように思います。
さらに言えば、リチウムイオン電池には、漏出リスクや発火リスク、高温化・極低温化での能力低下などの諸問題もあるわけですが。

いずれもクリアし、さらにリチウムイオン電池よりも高性能かつレイアウト面でも有利な『全固体電地』の実用化・商用化の目途が、かなりの程度立ってきた模様です。
Beste Derさんの投稿 2017年9月8日



ざっと『全固体電地』の優位面について書きだしますと、
  • リチウムイオン電池と比べて、液漏れが起こらず、発火しにくく、ショートする可能性も低いため、安全性が高い。
  • 体積を減らせるため設計自由度が高く、パッケージングやレイアウトの面で有利。
  • リチウムイオン電池は70℃を上回ると出力電圧が低下するが、全固体電地は100℃でも問題なく作動する。また、極低温下である-30℃で出力密度が確保できなくなるリチウムイオン電池と比べて、全固体電地は-30℃でもその事象が起こらない。したがって、動作温度域が広い。
といった面が上げられるようです。


ではなぜ、これだけいい面があるのに未だ市場に出回らないのか。
それは、以下の課題があったからです。
  • これまでの全固体電地は容量密度(電気を貯める容量)が小さく、出力密度(パワー)はさらに低い。
  • 量産技術の確立がなされていない(特に半導体プロセス)。


しかし、これら課題に対して、解決する道筋がかなり見えてきている模様です。
  • 現在のリチウムイオン電池と比べて容量密度を2倍、出力密度を3倍以上に高めるプロトタイプが、トヨタ自動車(日)と東京工業大学との共同研究により作成された。これは理論上、3分で充電満了できるらしい。
  • 積水化学工業(日)は、ゲル状電解質(準全固体電地)を用いて大判セルの量産の目途が立ったらしい。EV/PHV向けに高いエネルギー密度の実現にも、目途がついてきている模様。
  • 日立造船(日)は、電極と電解質の溶液を塗布して乾燥させる工程を繰り返す「バルク型」と呼ばれる、信頼性を維持しつつ低コストに製造できる技術を開発した。
  • イリカ(英)は、大量生産を視野に半導体プロセスを活用し、既に6インチウェハーの量産が可能になってきている模様。
このように、課題の克服にかなりの程度、目途が立ってきているようですね。


そうなると、次世代バッテリーの最有力ポストが、この『全固体電地』ということになるわけです。

上にあげた企業以外にも、ボッシュ(独)が全固体電地の大量生産に最適なプロセスを開発していた有力ベンチャー企業であるシーオ(米)を買収したり、アップル(米)が全固体電地の開発に携わるエンジニアの公募を始めたり、ダイソン(英)が年間利益額の2倍を全固体電地の実用化のためにM&Aを含む大規模な投資を計画したり、さらにはEVの先駆者である日産自動車(日)やテスラ(米)もこの全個体電池の開発に乗り出しており、ワールドワイドで各社一斉に全固体電地の実用化・商用化に向けたしのぎを削るようになってきたわけですが。

どうやらそのドアは2025年には閉まる・・・つまり、激化する全個体電池の開発レースは2025年を目途にもはや新規参入ができなくなり、その覇者さえ決まりかねないようです。


というのは、それを過ぎるとリチウムイオン電池の製造コストが下がり過ぎてしまい、もはや新たな電池の開発がそれに追いつかなくなってしまうという切実な理由がある模様です。
また、ほかにもリチウム硫黄電池などの開発も進んでいるようで、それらが参入してくるのも2025年以降とされていることから、それより先手を打って市場占有率を奪っておく必要があるということなんでしょう。

もっともこれらは、現時点の予測です。
半導体メモリや液晶ディスプレイなんかがそうだったように、「必要は発明の母」となり競争が激化すると、開発のみならず製造コストの低下や性能の向上も加速度的に逓増していくことになり、ともすれば前倒しさえあり得るのかなと思っています。


以上を考えると、現時点で電気自動車を買うのは時期尚早に思えますね。

いま現在、数時間かけて充電したのに実走行200~300km程度で尽きてしまうのが、2025年には数分で充電して500~1000kmくらい平気で走ることができる電気自動車が続々出てくるかも知れません。

また、リチウムイオン電池も製造コストが今と比較にならないくらい下がるようなので、電気自動車自体がバッテリーによって廉価モデルか高級モデルかに分類されるかもしれませんしね。
そうすると、現在のような数時間充電で実走行200km程度のものは廉価モデルとなってしまい、現在と比較して数十万円単位で値下がりする可能性もあり得ますよね。
また、当然ながらEVが多く生産されればされるほど、モーターなどの電気自動車ならではのパーツ類もコストが下がってくるでしょうし、それらが改良されてより良いものがより安くもなっていくことでしょう(しかもかなりの速さで)。
つまり、これから2025年くらいまでの間は、現在最新型であり最高スペックをほこるようなモデルが数年で陳腐化して価値がだだ落ちしてしまう、しかもその程度が速くて大きいと言えるのではないでしょうか。

そんなこんな考えると、やっぱり現時点でEVに飛びつくのは時期尚早な気がします。

じっくりと2025~2030年くらいまで顕在化した動向を見極めるか、せめて2020年代前半に潜在的(アンダーグラウンド)な動きも確認したうえで購入するか否かの判断をした方がよさそうですね。

それまでは、内燃機関を思いっきり楽しもうと思います(笑)
もちろん環境に配慮しつつ、ですが。


んでは!

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